HP-16C
自分の身の回りにあるいろいろなことが少しだけ楽になったので、自分がもう一つのキャリアとして続けているプログラマーの道具を新調しました。
かねてから欲しかった1982年に作られたHP社の計算機HP-16Cがそれ。僕は簡単な計算についてはRPM(逆ポーランド記法)の計算機を日常生活でもこよなく愛しており、そのため、研究室ではHP社のHP-12Cを愛用中。
このHP-12Cは金融関係専門のRPM計算機として広く利用されていて、それなりに流通もるのだが(生産自体は終了)、科学計算やプログラミング用には不向きで、それはHP16C(プログラマ向け関数電卓)やHP-15C(関数電卓)という型番の商品が別に用意されていた。残念ながらいずれも生産中止になっており、ただ、プログラミングの時に手元に簡単に使用できる「プログラム専用の簡単な計算ができるできればRPMの計算機」が欲しいとは思っており、その用途を満たすために、シャープのポケコンを友人から譲ってもらったり、またはヤフオクで落として自分の用途にあったプログラム(つまりプログラミングの計算を行うためのプログラム)を使っていた。いや、それはそれで楽しい作業で、SHARPのポケコンPC-G850VSなんかは、パーツ取りも含めて2台僕の研究室にはあり、眺めているだけでも楽しい。
しかしやはり大本命はHP-16Cだった。ポケコンはキーが多すぎで、その多くのキー(英字キー)は不要なのだ。そんなニーズは今でも健在のようでHP-16CはeBayでは完動品ならば30,000円前後で取引されており、新品同様なら10万円を超える。40年近く前に生産された計算機で、このように愛されている計算機はなかなかない。
それで、これまではどうしていたかというと、HP-12Cをメインの計算機として利用し、これまではiPhone上で動くアプリで代用していたのだが、やっぱりタッチスクリーンの押し間違いなどはあるもので、物理キーはやっぱり欲しい。しかし、今回ありがたいことにメルカリで安値で供出されているのを発見。ありがたいことに、誰の目にも触れぬまま、ささっと購入することができた。
今の電卓に比べたらもっさりした動きではあるが(写真はプログラミング実行中の画面)当時の技術者が少ない電力と液晶でできることの全てを詰め込んだマシンであることがわかる。16進数、8進数、2進数への変換がキー一つででき、とても素晴らしい。当時の技術者の意気込みを感じながら、ぽちぽちと日々のあれこれに使いたいと思います。