「神さまはそんなにいじわるじゃない」

尊敬する友人であり、敬服する研究者でもある知人がタイから長いメールを送ってくれた。友人は僕以上に苦しい立場で研究を続けていて、しかしそういった自分の苦労をめったに表に出さない人間だ。

今回の就職を祝ってくれた後、彼のメールは

>「神さまはそんなにいじわるじゃない」と昔CoCoというアイドルが歌っておりました。

と結ばれていた。暖かいメールの末尾にとてもいいフレーズだと思った。

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彼が送ってくれたメールを読みながら、僕は何も失っていなかったことに気づく。

二度と体験したくないことばかりの連続だったが、僕まで同じように他人を傷つけるという道を歩まずにすんだのは幸いだったし、また不誠実に振る舞わずにすんだのも幸いだった。

「神様はそんなにいじわるじゃない」

あまり宗教じみたことを書くのもなんだけれど、神様は多くのことを与えてくれているのだなぁと思う。
今回の就職は偶然の要素が大きかったのだが(文系の研究ポストに関して、「すべて自分の実力によるものです」なんて、博士課程の学生ならだれだっていえないだろう)、それでも勝因があるとすれば、それは直前まで公募に出し続けたことだと思う。そしてそれは、自分にはもちろん周囲の人々に誠実に接してきたことの積み重ねだったと思う。

就職がきまったからではなく、幸せになったからではなく、神様はそんなに意地悪じゃない。だから、くさらずにやっていくことが大事なのだと改めて思う。

つらかったこの半年を僕は決して忘れない。

次はタイに住む友人、川崎の友人がポストを手に入れることができるように神様力を貸してください。