イタイイタイ病研究会のこと

この土地に移住して半年が過ぎ、いくつかの研究会に顔を出すようになっている。

その中の一つの研究会がこの「イタイイタイ病研究会」で、水俣地域における「水俣学」のように、富山における「イタイイタイ病学」の立案のために日々多くの研究者や市民のみなさんとやりとりをしている。全て持ち出しの研究会で、運営もなかなかに難しい。難しいが、それでもこの土地で生きる上で避けては通れない問題であり、今は苦労して土地の言葉に慣れ、多くの土地の名前を覚えようとしている。

今回講演いただいた青島先生は、札幌医大を出られて富山においでになったとのこと。それから30年以上の月日を経て、今はイタイイタイ病研究の第一人者として活躍されている。発表内容については、直接青島先生の論文などで確認してもらえたらと思うのだが、土地に根を下ろして活動することの重要性を改めて学ぶ。

この土地の外に長年住んでいると、神通川という地名には「イタイイタイ病」がワンセットとなっている。日本四大公害と呼ばれるほどの負のイメージから、勝手に小さく、栄えていない川を想像していたのだが、この土地に実際に来てみてこの川が富山の中心部を流れ、かつては物流にも用いられた主要河川であり、その周囲にも多くの施設(学校や空港など)が立ち並んでいることを知る。この川は人々とともにある川であり、そのため川が傷つけた様々な事実を受け入れられなかったのだろうか、とも思う。

大雨の中講演が終わる。青空は見えない。

チラシは次回公演。