コンピュータ関連の履歴
コンピュータ業界の関係者の間では、自分がいつどこでどのようなパソコンと出会い、どういうソフトを使用してきたか、ということを話すことで、すぐに打ち解けることができます。ブルデューのいうハビトゥスが、こういった話を通じて出てくるのかもしれません。
それは「○○のマシンを使っていた」というでその時代背景、指向といった互いのマシンに対する思い入れが、一瞬のうちに享受できるからでしょう。僕の以下の電子文具の経歴の中では、たぶんMacitosh SE30、親指シフト、emacsというところがそういった言葉で、僕が使うことのなかったマシンでは、HP200LX、X68000といったマシンがその代表にあたるでしょうか。
昔は「コンピューター上で・・・がしたい」というときに、マシンに与えられたCPUのスピード、ハードディスクの量、メモリの量を考えながら、コンピュータを使っていました。コンピュータの値段が安くなった今日のある機能を実現するために、CPUを買い換え、メモリを買い換え、ハードディスクを増設する、または本体そのもを買い換えるという作業とは別のベクトルだと思います。もちろん先端技術を投入したコンピュータも、やっぱり素敵でして目の敵にしているのではありません。新しい技術の結晶ともいえる最新型のコンピュータはやはり「最新」と言われるだけの機能を盛り込んでいます。しかし、そう、まるでクラシックカーを愛するように、古いコンピュータを愛するのです。
年代順に並んでおり、前半部分ははっきりいって懐古的なパソコンオタクまるだしの文章です。たぶん今使っている方にとって役立つのは大学院編以降ですので、間をすっとばしてそこから読まれてもかまいません。ま、コンピュータ関連のページには多いお約束のコーナーです。
小学・中学
SHARP MZ-1200 はじめて手に触れたコンピュータは、かのシャープMZ-1200でした。もはや資料すら手元にないが、グリーンディスプレイ、データレコーダの搭載された機体だった。このパソコンは貧乏な我が家では買ってもらえるはずもなく、近くの電気屋にあったもの。信じられないと思うけど、当時はこういう店のコンピュータは開放されていて、マイコン少年(<なんてバカな言葉があった)達が毎日のように通い詰めていた。こういうものが世の中にあるんだ、ということを知ることができた。美品が中古で出回っていれば、今でも買いたいマシンの一つです。
TOSHIBA PASOPIA IQ はじめて手に入れたコンピュータはかのMSXだった。東芝の製品で、ゲームマシンとしてよりもプログラミングの方にはまり、アスキーの本(『MSX マシン語入門』『MSX MAGAZINE』)をもとにマシン語を修得。マシン語の勉強をする前に、データレコーダからマシン語エディタをロードして、直接マシン語16進数で入力していったという、コンパイラもない時代の嘘みたいな話。
漢字も使えず、プリンタもなく、当時のほかのマシンと比べてみても、(値段相応に)とても情けないマシンだったけれども、今こうして半ばプロとしてコンピュータとつきあっていることを思うと、感慨深いものがある。中学校3年ぐらいまで使い倒したかな。当時PC-8801mkIIが全盛期の頃で、いろいろとバカにもされるしょうもないマシンだったけど、当時自分でプログラムが書ける中学生はあまりいなかった。で、何をやっていたかというと、結局はゲームを作っていたり、もはや記憶の片隅に消えてしまったのだが、星座早見板などをほそぼそと入力して使っていたという、なんでコンピュータを使う理由があるのかまったくわからんという、それはそれで哀しい使い方。いいんだよ自己満足でも。
しかし、オタクについての嫌悪感はこのころからずっと持ち続けていて、えらい高価なマシンを使って自慢しているオタクさんに出会うと「だからどうした」といいたくなる。そんなわけで、エロゲーが嫌いなのはこの時代から。コミュニケーション不全のオタクが、グラボやサウンドボードを自分の実力以上にどんどんアップして喜んでいるのを見ると、コンピュータがかわいそうだな、と思っちゃう。
MSXはこの当時のコンピュータとしては400万台というとんでもない売れ方をしたが、統一規格としてのMSXの理念が早すぎたためか、その後衰退の一途をたどる。各社共にCPUやらメモリといったパーツをどんどんレベルアップしている最中だったので、MSXという統一規格で足並みをそろえるには、他者との区別化を目指す各社とも足並みがそろわなかったのだ。そういったわけで、コンピュータに強いメーカーよりも、MSXを統一規格としてグランドデザインとして割り切って使おうとしていたメーカーのパソコンのほうがおもしろかった。YAMAHAのMSX(YIS)とかは、今でも美品があれば買いたい。
高校
高校に入学してからというものコンピュータからしばらく離れていた。というのも、僕自身が文学青年への道を歩みだしたため、コンピュータとの関係が疎遠になりつつあったことと、当時の僕が通っていた高校ではとてもではないけれどそういう時間をさけるほどののびのびとした時間を確保することはできなかったことによる(そのわりには学校をさぼり倒していたが)。当時、同人誌を発行していたが文章のほとんどは手書きだった。手書きの文字で、コピーショップで詩集を作ったりしていた。
Fujitsu OASYS Lite 運命の出会いは突如訪れる。高校2年の冬、全国高校生会議の会場東京大学駒場でOASYS Liteを拾う。このワープロで親指シフトを学び、文章を書きまくるが、いかんせん拾いものの悲しさで、印刷にいつも線が一本走ってしまう。また、文章の保存ができるメディアがなかった(FDもついていなかった)。そのため、この時代の文章はほとんど残っていない。親指シフトも結局マスターできないまま廃棄処分に。
Panasonic U1 Pro5 高校3年の夏に、母を説得して家庭でワープロを購入。Panasonicのワープロ。椎名桜子という「小説家の卵」とやらがCMで使っていたやつで、もちろん使い倒す。古い文章で電子かされているのがのこっているのはこの時代から。
大学学部
NEC 文豪NOTE 大学に入学し、15回ローンで購入したのがNECの文豪NOTE。付属のタッチタイプ練習ソフトで、タッチタイプを身につける。コンピューター講師になってから、いろんなタッチタイプソフトに触れる機会があったのだが、この機械についていた以上のソフトはいまだ出会ったことがない。このワープロではパソコン通信もはじめた。NECつながりでPC-VAN(現BIGLOBE)に加入。2400bpsのモデムが50,000円もした時代の話で、ブローダバンド時代の今日では隔世の感がある。大学時代に書いた文章の多くはこの機械に頼っている。このホームページの書庫にある文章も、鹿児島大学スチューデントフォーラムの論文集もすべてこのワープロで書いた。
CASIO 電子手帳(型番不明) これと前後する形で電子手帳にも手をだす。当初は植木等がCMしていた、キーボード付のカシオの電子手帳(型番不明)を使うが、鹿児島大学生協食堂でごくごくわずかな時間に目を離した隙にとられてしまう。わずか3ヶ月。単に住所録とスケジュール管理にしか使えなかったマシン。今思うと、ようこんなん使っとったなぁとも思う。
Apple Macintosh LC575 ワープロに限界を感じたのが大学2年の夏にフランスに留学したとき。当時のワープロはマルチランゲージなどには当然対応しておらず、フランス語をそのまま入力できなかった。そんなおり、ホスト先のDolphine大学の息子さんがMacintoshを使いこなしている姿に驚く。Macintoshがすごい、というのはもちろん知っていたが、英語・フランス語・日本語も入力できる、そんな夢のようなマシンだなんて思いもしなかった。
このような体験があり、「コンピュータを学ばなければ」と思いつつも月日が流れる。それが大学3年の夏、師匠H先生がマッキントッシュを科研費で購入。当時マックを使うことは一つのステータスで、特にマルチリンガルに対応した文書が入力できることが最大の魅力だった。自慢げにHyper Cardでスタックを開く師匠に、メラメラと対抗意識を燃やす。師匠に触発される形で、ローンを2年組み、Macintosh LC575とStyle Writer IIを約40万円で購入。パソコン通信もPC-VANからNIFTYに移動。当時ニフティではマック関係のソフトがたくさんあり、作業効率もぐんぐんあがる。ATOK8+Edit 7で入力し、清書のときのみClaris、ORGAIを使うというスタイルで、一時期血迷ってMS社製品にのりかえようともしたが、この「エディターで入力」−「ワープロソフトで清書」、というスタイルは今も変わらない。モデムのスピードは14,400bpsになり、隔世の感。そうそう、この時期に初めてホームページを作る。
SHARP ZAURUS PI-3000 Macintoshと前後して初代ZAURUSを購入。これを徹底的に使いたおす。Macintoshとデータのやりとりができるのがありがたく、自分でFileMaker Proでプログラムを書いて管理していた。だがキーボードがないマシンはやはりつらい。次のモバイルはやはりキーボードがついているやつがいいな、と思いはじめたのはこのころ。
キーボード付きの新型ザウルスにも大変心惹かれるところがあるのだが、フィールドワークの際に満員電車やバスのような箇所で中で立って文章を入力する必要まではさすがにないので、もうタッチパネル形式のPDAで文章を入力しようなんて現在は考えていません。なによりもフィールドワーク先では紙とペン以上の必要なものというのは考えられません。
それはどういうことかというと、コンピュータの限界でもあるんだが、メモをとるときにはテキストエディター、地図などをさらさらと書くときにはグラフィックエディター、計算する時には計算機、という具合に複数のソフトを使い変えないといけないのが迅速さが要求されるフィールドで耐えられない。それが、ノートだと、一枚の紙に文字も地図も計算も書ける。この差は歴然としている。
故に、フィールドワークに持っていくパソコンというのは
夜に考えをまとめたりするときや、インターネットで情報をやりとりするときに使用する
というのがメインの目的である。そんなわけで、今日に至るまで、palm、ZAURUS、Pocket PC、Tipoを含めいくつかの手書き入力マシンに触れる機会があったものの、メインのPDAとして使えないのは、やはりキーボードの問題。もちろんビューアとしては最適なんだが、文章入力用としては、いまいちで、palmを使って長文を入力している人を見ると、ごくごく素直に感動してしまう。
Fujitsu OASYS Pocket 3 上述したような理由から、次に購入するPDAはキーボード付きのマシンにしようと思い、当時唯一のコンパクトワープロOASYS Pocket 3を中古で購入。当時、NIFTYのフォーラムで、OASYS3をDOS化して使用するのがはやっていて、それにも挑戦。HP-100LXや、200LXも当然購入を考えたのだが、長文を入力するのに、不向きだった(と僕は感じた)。立って入力でき、おまけにテンキーまでついていた200LXも相当な魅力で、今考えると、このとき200LXを購入しなかったのが本当に悔やまれてならない
ま、それはさておき、OASYS Pocket3だが、これはほんとうにすばらしいマシンだった。ワープロにもかかわらず、当時はやっていたDOS化を行うことでDOSマシンとしてさくさく動く。その後NECの初代モバイルギアのDOS化が流行ったけれども、その先鞭はこの時代にOASYS PocketのユーザがNIFTY Serveのオアシスフォーラムで作ったもの。僕はその恩恵にあずかるだけで申し訳なかったけれども・・・。
さて、このOASYSとの出会いが僕とモバイルの付き合い方を一変させる。
一つはemacsとの出会い。MicroEmacsというemacsクローンのソフトを使っていたのだが、これが実に画期的だった。emacsを知らない人にこの快適さをなんと説明していいのかわからないのだが、たとえば電車の中などで文章を入力しているときに、カーソルキーに手を移動するのはけっこう面倒くさい。だが、Emacsであればカーソル移動、カット&ペーストはもちろん、文字の削除、改行、ページアップ&ダウンといった作業がすべてホームポジション+コントロールキーでできる。後にSFCに入学して本格的にEmacsとおつきあいすることになるのだが、OASYS使用当時は、Emacsというのはモバイルのためのエディターだと信じて疑わなかったほど(実際はUNIX用に作られた高機能エディター)。もちろん、日本語入力は親指シフト入力で、Macintoshがメインとしてあるのに、ずっとこっちで文章を書いているという始末。電車の中、喫茶店の中、授業中といったあらゆるシーンで大活躍。その後、Windowsのノートを購入したときもType 1のカード経由で、Windowsノートとやりとりをして、データを移してたいたっけ。HotsyncやActive Sync全盛の今日では大変な手間がかかるように思われるかもしれないけれど、それでも当時は、手元のハンドヘルドで作成したファイルが、読み込めるようになるというのは、実に画期的だった。
もう一つの変化はDOSのプロンプトに触れるようになったこと。当時僕は「正しい」マックユーザとして、config.sysやautoexec.batなんて知りもしなかった。その後UNIXのコマンドにすぐになじめたのもこの当時の経験があったからで、細かいセッティングができるようになっていった。さすがにDOSだけあって、少し起動に時間がかかるのと、OASYSにインストールされている富士通オリジナルのFEPにはくせがあってそれに慣れなかったのがつらかったけれども。
大学を卒業して、単なる無職のおっさんになった僕は、自分のクレジットカードを失う。そのため、一旦NIFTYをおいだされる
修士課程
慶應義塾湘南藤沢キャンパスは、日本のコンピュータ教育の最先端を行っているところで、正直入学するときは、おそるおそる、という感じだった。・・・が、なんのことはない、コンピュータを使いこなしている人間はごくごくわずかで、たいしたことなかった。
OASYSで原稿入力し、Macで清書。ま、そんな日々が続く。そんな中、大学で廃棄処分に出された、DOSマシンをもらい、自宅はWindowsとMacintoshの体制に。Windowsに最初こそとまどったものの、所詮MacintoshのパクリOS。すぐに慣れて使いこなせるようになった。
NEC MC-R300 そんななか、実は主力機として使用していたOASYS Pocketにさすがに限界を感じ始める。やはりFEPの問題は大きい。ATOKを使える環境が持ち運べればいいなぁ、と思っていたが、当時発売されていたLiblettoはキーボードが小さすぎてタッチタイプに不満が。それに、どうせemacsバインドで使用するので、フルキーボードも必要ない。そんなこんなで「持ち運びができてさくさくうごくコンピュータ」を探していたころ、NECから大きいキーボードサイズのWindows CE2.0が発売されるということに。たまたま、慶應内の研究費も競り落とせたので(実は購入の直前までHP200LXと迷っていたのだが)急ぎ購入。これはとにかくイイ。乾電池で使用でき、コンパクトフラッシュも差せ、ATOKも使えるという・・・。スバラシイ。仕事のほとんどをコンピュータでするようになって、コンピュータを携帯する必要を感じたのだが、Windows搭載パソコンだと電源を入れてから使える状態になるまでに1分近く(場合によっては3分)かかるのが耐えられなかった。外で作業したいという時は即時性が求められている場面が多いのに、その一分が耐えられない。いやー、短気なんだろうなー。また、MSのIMEはCEでもご多分にもれず、バカだったので、ATOKとWZ Editorを購入して、使用する。これは本当によかった。電気がとどかないタイの山岳地域や、日本の東北の田舎を旅していて、充電する時間などとてもなかったときに、乾電池を購入するだけでいいなんて、こんないいマシン他にないだろう。なんで、CASIOとNECはこのシリーズを縮小しちゃったんだろう。モノクロキーボードマシンは電力を食わないし、文章を入力するだけなら、一番快適な環境なんだけどなぁ。Compact FlashとPCMCIカードが二枚差せる乾電池駆動のマシンなんて、もうでないんだろうなぁ。後継機MC-R3XXシリーズは、Compact Flashスロットがなく、不便この上なかったし。CEを使用するのなら、データ保存・バックアップ用のCompact Flashと外部ストレージとのやりとりのためにLANを使うだろうからPCMCIカードスロットは必須だろうに。
博士課程
IBM Think Pad 235 博士課程に進学し、バイトのあいまにたまたまソフマップの中古センターで見たIBM Think Pad 235(通称:チャンドラ)に一目惚れ。偶然にも、日本育英会のお金がおりたばかり。・・・で、またまた衝動買い。このマシンは、チャンドラと呼ばれる、名機だということを友人から教えてもらう。3枚カードがささるというすごさもLANポート、USBポートがついててあたりまえのこの時世ではあまり意味がなくなってしまったが。
Apple Macintosh SE30
導入ソフト
システム関係:System 8.6、ぱうフォント、ATOK 8
エディター類:J-Edit、Claris Works 2.0、ORGAI
ネットワーク関係:Telnet、Fetch
Think Padで、中古買いに味を占めたある日、ふと覗いたNiftyの掲示板で、SE-30を1万円で売りに出している広告を見る。おお、SE-30。昔の恋人が突然目の前に現れた感じ。至急コンタクトをとって購入。が、いわゆるシマシマック状態なのだが、あっさりと電解コンデンサを載せ替えて復活。HDも、1ギガのものを積み、快適快適てなもんである。うぉほほほ。System
8.0にVJEを積んで、テキストエディタを動かしてメーラーとして使用。また一時期流行ったNet BSDを導入して一時的にサーバーとしても走らしてみる。クラシックカーを愛するように、たまにこのマシンの電源を入れて、動いていることを確認するのがとても幸せ。かのシーラカンスキーボードで、カチカチと入力する。まさに至福の時。自宅にLANを引いたときには、必ず手元において「遊ぶ」マシン。
HP Jornada720 現役
導入ソフト
システム関係:ぱうフォント、ATOK Pocket、SQ、Small Tweak
エディター類:Pocket WZ Editor(emacsバインド)、Ng
ネットワーク関係:nPOPQ
ユーティリティー:PDICCE、TascalLha
そうなってくると、今度は、MC-R300の速度にちょと不満が。考えてみると、フィールドワークではMC-R300のような乾電池駆動マシンのほうがいいんだが、日常のユースでいえばバッテリタイプのほうがコスト的にもいいようで、幸い、昔に比べ、CEの性能も格段によくなったことと、充電池の持ちがかなりよくなったので、MC-R300以外に充電池タイプのカラーのマシンを一台、持っていてもいいかな、と。そんなわけで、NECのMC-R570あたりを購入しようと思って、ヨドバシカメラに向かうが、そこで、Jornadaと出会う。これ、やっぱり一目惚れ。ほどよくコンパクトな機体にWZ EditorとATOKを入れて動かす。JornadaのCPUであるARM対応のソフトのそろえはいまいちだということもわかっていたのだが、それでも買ってしまう。
これといって特に細かいチューニングはしていなが、Ngを使うということからもおわかりのとおり、やはりPWZをEmacsライクなキーバインドで使用中。これで、Jornadaの狭いキーボードで、いちいちBack Spaceキーやデリートキー、カーソルキーに指を移動する必要がないので、より高速な入力環境を手に入れることができる。emacsライクなキーバインドとしては、Ngのほうが作り込みが上なのだが、インライン入力ができない、というのが文系な僕としてはどうしてもなじめず、WZを使用。英文だけならNgなんだけど。とりあえずの不満は、タイ語が使えないことと、ATOKが正式にサポートしていないこと、メーラーが弱いこと(WZ Mailerはとてもよく作ってあるのだが、母艦のOutlookと連携がとれないのが残念)。HPにはがんばってこのシリーズの販売を続けてほしい。Pocket PCも悪くないんだけれど、日本語入力に関しては、やはりキーボードがあったほうが入力効率があがる。
研究員
Panasonic Let's Note B5-FR
導入ソフト(よく使用するやつだけ)
システム関係:ぱうフォント、ATOK
エディター類:WZ Editor(emacsバインド)、Microsoft Office、File Maker Pro.5
ネットワーク関係:nPOPQ、Microsoft Outlook、FFTP
ユーティリティー:PDIC、広辞苑
アプリケーション:J-ばいぶる2000
タイの客員研究員時代に使用していたのが、このPanasonic CF-B5FR。これには、ありとあらゆるソフトを詰め込んで使用中。本来はデスクトップ型のパソコンをこよなく愛しているだが、タイに来てから、やむなくノートパソコンをメインにする必要があり、やはり大学のお金で購入。なんといってもトラックボールが快適。なんで、トラックボール付マシンをどのメーカーも作らなくなったのだろう。薄いコンピュータをもてはやす今の環境はどうかしていると思う。
SONY CLIE PEG-S300
導入ソフト
システム関係:ぱうフォント、ATOK Pocket for Palm、DALauncher、Power JOG
エディター類:J-DOC
アプリケーション:File Maker Mobile、もばいぶる
タイにきてから、今まで敬遠していたPalm OSがやたらほしくなってしまう。購入のきっかけはただ1つ、モバイブルというソフトが動かしたかったからで、他になんの理由もない。たまらなくなってCLIEをタイからヤフオクで落札。S300をチョイスしたのは、白黒(屋外では白黒の方がカラーよりも断然見やすいです)でバッテリーの持ちが良く(使い方にも夜が、5日ぐらいまったく充電しなくても大丈夫)、ジョグダイヤルもついてビューアーとしてとても使いやすいこと。その後紆余曲折を経てタイに届く。
さて、このキラーソフトモバイブルは、日本にではごくごくわずか、人口の1%そこそこしかいないクリスチャンにしか食指をそそられない聖書ビューアーで、口語訳、新改訳、共同訳、New King James Version、Today's English Versionという5つの訳の聖書が使えるというすばらしいもの。海外に出かけるクリスチャンにとって、聖書のでかいのをいつも持ち歩くわけにはいかないし、これは本当に便利。特に英語ミサの最中に、すぐに和訳の該当箇所が引けるのが本当にすばらしい。こうやって聖書ビューアーとしてPalmを使用するようになる中で、ついでにメールやアドレスを移して使用してみるが、ビューアーとして参照するのにとても便利だということを実感。メールを読んだり、はたまたアドレス帳として使用したり。前述したザウルスの時の経験から、スタイラスをつかって入力する気にはさらさらなれないので、あくまでもビューアとしてのみ使用する。フィールドワーク用ではなく、コンピュータ内の必要なデータを持ち歩くビューア。
Fujitsu FM V-BIBLO LOOX S9/70
導入ソフト
システム関係:ぱうフォント、ATOK
エディター類:WZ Editor(emacsバインド)、Microsoft Office、File Maker Pro.5
ネットワーク関係:nPOPQ、Microsoft Outlook、FFTP
ユーティリティー:PDIC、広辞苑
アプリケーション:J-ばいぶる2000
現在サブマシンとして使用している。最大の特徴は、親指シフトキーボードの搭載。発売当初は話題になったものの、実はこの機種に搭載されている親指シフトは大変使いにくい。2chでも酷評の様子。また、一太郎をアップグレードしたときに搭載されていたATOKが親指シフトとなじみが悪く少々苦労していて、親指シフトモデルなのに、ローマ字入力をしているという哀しい状態。唯一の、といっていい利点はバッテリーを大型に交換したことで、6時間ぐらいは平気で動くようになったこと。タイと日本を移動する間、まったく充電しなくても仕事ができるというありがたい機体。2chのモバイル板で、XPから2000にダウングレードする話題が炸裂中。そのほうが、レスポンスが断然良くなるとのこと。
NTT DoCoMo Sigmarion II養子に出されました
システム関係:ぱうフォント、ATOK Pocket、SQ、Small Tweak
エディター類:Pocket WZ Editor(emacsバインド)、Ng
ネットワーク関係:nPOPQ
ユーティリティー:PDICCE、TascalLha
すでに3台目となったWindows CE。キーボード搭載のCE機が、タイにいる間に次々と販売終了となっていくのに見かねて、キーバインドで難があることを知りつつも、ついつい帰国時に購入してしまう。当分はJorunadaにがんばってもらうことにして、あくまでも予備。
(追記)最近里子に出されました。次の所有者は、大変有意義に使用されているようです。
SONY CLIE PEG-650C
導入ソフト
システム関係:ぱうフォント、ATOK Pocket for Palm、DALauncher、Power JOG
エディター類:J-DOC
アプリケーション:File Maker Mobile、もばいぶる、DataBk5
ふとしたことで手にした臨時収入で2代目のパームとして購入。現在はモン語の辞書として愛用。さすがにハイレゾカラー液晶はバッテリーを食う。が、それもS300と比べた場合であって、こまめにHotsyncをとる今の環境では、さほど気になるほどではないこともわかった。現在のメインマシンFMV-LOOXとはPrinston Technology製のUSBケーブルでつなぐので、Hotsyncと同時に充電も終わってしまう。現在はステンレス製のケースに入れて、山中での過酷な状況でも使えるように。またDataBk5(英語版)を知り、これをインストールしてから、Windows CEはほとんど使わなくなってしまった。長文入力ならあきらかにCEなのだが、そのような長文を喫茶店などで入力することがなくなり、ベースキャンプや、チェンマイ大学の図書館で、LOOXを立ち上げることが多くなったことから、ビューアーとして、CLIEで十分だということがわかった。現在主に使うのは、ファイルメーカーで、モン語の辞書として大活躍。PEG-650Cに変えてから、携帯プレイヤーがJorunadaから、移ることになる。
NEC Mobile Gear MK-32
導入(予定含む)ソフト
システム関係:ATOK 8 for DOS/V
エディター類:VZ Editor、Ng
アプリケーション:FD、MIEL
鹿児島大学のI先生から拝借したいただいたマシン。交通事故でMC-300Rを破損してから「乾電池で動くキーボード付きマシン」を探しているというお話をしたところ、前から目をつけていた(<すいません)先生のマシンを譲って頂くことに。すいません、すいません。必ずまともな論文を書いて、ご恩に報いますので・・・。
初めてさわるDOSモバは、液晶の明るさと、その薄さに大感激。別に意図したわけではないのだが、チェンマイ市内のカフェでこいつで作業をしていると、「日本にはこんなにいいマシンがあるのか」といわれることが多い。「もう販売していないんですよ」というととても残念そう。ここで「へっへっへっ、日本にはいいマシンがあるだろ」とか答えればそれはそれで、嫌な日本人なのだが、何よりもFEPの問題が解決されず、ATOK導入までは使いにくい日々が続くんじゃないかな。英米系ではそういったFEPに関する問題がないから、サイズや打ちやすさだけで判断できていいなぁと思ったり。例えば、今の携帯端末の中では、やっぱりシグマリオンIIIがいかに変則キーボードを有していようとも、FEP(ATOKが使える)まで含めて考えた場合、CPUのパワーも含めて、ベターチョイスなのかもしれない。
それはさておき、久しぶりのDOSコマンドに格闘しつつDOS化に励むといろんなメリットが見えてくる。まずはなんといっても「軽い」こと。エディターだけならなんの問題もなくさくさく動く。そして、バッテリーの持ちがいいこと。単3乾電池で30時間近くもうごくなんて、もはや奇跡的だ。HP-200LXの携帯性もすてがたいけれど、テキストをべたうちするための快適なキーボードとしては、やはりどうしてもこのキーボードのサイズになるんだろうなぁ。2chの方々がマジで新しいDOSマシン(でもいいし、キーボード付きのCEでもいいので)出してもらう気持ちはよく分かる。
そんなわけで、最近Yahoo! のオークションでWX-IIIやら『モバイルギアバイブル』なども落としまくる。同じように入札されていた方、申し訳ありません。有効に使用させていただきますのでどうかご勘弁ください。