クリスマスと就職と
クリスマスイブの今日、なぜか午前中からとある企業の高層ビルにて最終面接。最終まで残ったのは三名のようで、特に緊張もしないまま、呼ばれるのを待つ。高層ビルから眺める東京の空は少しくすんだ色で、毎度のことながら「智恵子抄」で智恵子が言った「本当の空」の話を思い出す。北部の埼玉方面の空を見ると空が濁っていて、黄色がかっているのだ。この曇った空の下で僕は働こうとしている。その事実をあらためて思う。
何もクリスマスイブの日にこんなこと気づかなくてもいいじゃないかと思うが、誰もがこうした空と無縁ではないことを知るのだ。
名前が呼ばれ部屋へと移動する。ありったけの思いを伝える。そして担当者も容赦ないつっこみと、ありったけの企業の論理を僕に伝える。
嘘をつきとおすほどの気力もない僕は、素直に今の状況を話す。なぜ研究職を続けることを断念したか、ぐさぐさとくる質問に答える。
結論を書くとクリスマスイブの今日、ここも含め、2社から無事に内定をもらうことができた。それも今までの10年間をキャリアとして認めてもらえ正社員待遇で。今まで年収100万もなかった僕のような人間が、来年から600万もの年収をもらえるようになるなんて少し想像がつかない。どちらの企業もすばらしくて僕には選べない。久しぶりに「二人の人から好きと言われてどうしよう」状態(<嘘です。そんなこと僕の人生に一度もありませんでした)。
最高のクリスマスプレゼントをこうして僕は手に入れた。
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4月からの食い扶持が確保できたことで、現在の食い扶持である家庭教師へ。クリスマスに仕事をする自分も大変だがこの日まで勉強をしなくちゃいけない生徒さんはもっと大変だ。こちらもそれにこたえて容赦ない指導・・・とはいかず、ゆっくりとのんびりとテキストを進める。小学校6年の彼と僕と間でくすくす鳴きながら座っているミニチュアプードルとの穏やかな午後。
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夕方から教会でクリスマスのミサ。
神父様が子供達にわかりやすいおはなしをしてくれる。「明日の朝みなさんはサンタさんからプレゼントをもらうでしょう?とても嬉しいでしょう?今日は神様から私たちにプレゼントを頂いた日だから、みんなとても嬉しいし、みんな喜んでいるんだよ。」
今日はイエスという神様のひとり子が私たちのところにやってきた日。神様からイエスというプレゼントが人類に与えられた日。
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今年のクリスマスはそういう一日でした。穏やかで、嬉しくて、神様のことに感謝して、とても幸せなクリスマスでした。
皆様もどうかよいクリスマスをお過ごしください。
Merry Christmas