ヴィックス・ヴェポラップ

2日連続の雨。明け方16度、日中25度という、タイにしては寒い気温のせいで、熱を出し倒れる子供達が続出。バンコクで買ってきたヴィックス・ヴェポラップを子供達のおなかと背中に刷り込む。

塗り薬を塗りながら、子供達の体に触れる。「センシュウ塗って」と、おなかと背中が見えるように列を作る子供達。実の兄弟のように、おなかをだしてくる。僕のような贅肉などない、引き締まった体で、そして、その実栄養失調気味のか細い体だ。

このような筋肉消炎剤が珍しいせいもあり、元気な子供まで並ぶ始末。「ごめんね、一瓶しか買ってきてないから、また君が風邪をひいたときに塗ってあげるね」とやんわりと言いくるめ、列から外れてもらう。

しとしとと降る乾季のタイの雨の日は、空一面グレーの哀しい色だ。寂しく、冷たく、哀しい色だ。こういう空のことをものぐるほしい、と表現するのだろうか。