プラカノン駅近くにて

 

先月のことだが、タイではセブンイレブンの不買運動が起きた。日本ではあまり報道されず、また現地邦人メディアでもあまり取り扱われなかったようで、タイで暮らす日本人でもこういう動きがあったことを知る人は少なかった。

セブンイレブンをタイで運営するCPグループは、農産物の業者向け加工・販売のほか(日本にも多く輸出されている)、大型格安店のmacro及びTesco Lotusといった個人向け販売店も多く展開している。また2017年度には髙島屋と組んで、チャオプラヤー河左岸に百貨店をオープンする予定とのこと。屋台などで生計を立てる人々からの批判のほか、CPの排他独占的な経営手法について批判はかねてからあったこともあって、なかなか大きなムーブメントとなったようだ。(なお、CPグループはこうした不買運動はCPの経済活動にさほどの影響を与えなかったというコメントを出している)

さて、通勤に利用しているBTSプラカノン駅近くのフェンスに、このウォールペイントが登場した。7-ELEVENのロゴを一度描き、そのあとあらためてEvil(邪悪な、よこしまな)という言葉を書き加えているというもの。右に描かれている黒い鳥は、CPのキャラクターとして登場するひよこを黒く塗りつぶしたもので、そのロゴの前には物乞いをする少年の手にセブンイレブンで販売されているドリンクカップを握らせるという非常に辛辣なアート。

この絵の描き手がどういう思いでこの絵を描いたかは想像するしかないが、バンコクのすさまじい開発ぶりを見ながら、こういう絵が生まれる背景について考えずにはいられない。