アジアンドキュメンタリーズ映画祭2025

このたび、「アジアンドキュメンタリーズ映画祭2025」にて、ドキュメンタリー映画『霧の中の子どもたち(Children of the Mist)』の上映後トークに登壇させていただくことになりました。映画評論家・ラッパーとしてご活躍の宇多丸(ライムスター)さんとともに、この作品の社会的意義やドキュメンタリーの視点についてお話しします。

日時:2025年8月3日(日)17:40上映開始(上映後トークあり)
会場:ユーロライブ(東京都渋谷区)
詳細・チケット情報
https://www.asiandocs.net/children-of-the-mist

作品情報
タイトル:霧の中の子どもたち(Children of the Mist)
監督:ハー・レ・ジエム(Hà Lệ Diễm)
製作国:ベトナム
製作年:2021年
言語:モン語/ベトナム語(英語字幕)
上映時間:92分
受賞歴:アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)最優秀監督賞
第94回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門・ショートリスト選出(2022年)
サンダンス映画祭公式セレクション ほか多数

作品概要:本作は、ベトナム北部の山岳地帯に暮らす少数民族モン族の少女・ディ(Di)に3年にわたり密着したドキュメンタリーです。
思春期を迎えたディは、教育を受け将来を切り開きたいという思いを抱きつつも、地域に根付く「誘拐婚(bride kidnapping)」という伝統的慣習との狭間で揺れ動きます。

本作は、彼女の葛藤と成長、そして「撮ること」と「介入すること」の境界に悩む監督自身のまなざしも描き込み、ドキュメンタリーというジャンルがもつ倫理的問いかけを私たちに突きつけます。

これまで私自身、モン研究者として、少数民族の女性たちが置かれている複雑な現実に関心を寄せてきました。この作品が記録するのは、単なる文化紹介ではなく、伝統・近代・ジェンダー・教育・自由といった多くの主題が交錯する「いま」の声です。このような優れた作品を広く紹介する機会をいただいたことは、研究者として非常に光栄であり、本作の持つ力を多くの方と共有できることを心から楽しみにしております。

主の平和。