現代日本での統一戦線(らしきもの)の可能性

石川捷治(2025)『統一戦線論 戦ドイツの歴史的経験から未来へ』晃洋書房、読了。
著者のおすすめ通り終章から読み進める。帯にある通り「なぜヒトラーを阻止できなかったのか。ドイツの歴史的経験を考察し、その、実相に迫ることで、今日の危機における「新しい統一戦線」=市民に根差した「まっぴら御免/生活の思想」の必要性と可能性を探る」書。
この書籍で著者(等)は日本政治の現況を踏まえ、現代日本での統一戦線(らしきもの)の可能性について論じている。安倍政権から石破政権に至る分析を、第二次世界大戦以降に日本人が少なからず感じていた「うしろめたさ」を皮切りに論考していた箇所はカフェで思わず声を出して頷いてしまった。
ドイツに興味はなくとも現代日本について言及した第二部と第三部を読むためだけにでも買う価値はあると思う。