後期スタート
後期がスタートし、日本国憲法の授業を2コマ行う。
その際に学生からもらったリアクションペーパーには悲痛なものが少なからずあって、言葉に詰まる。
世界平和や税金、改憲といったような大上段の話ではなく(いや、これも切実なテーマなのだが)、日々の生活レベルの苦しみも多く、読みながら少しつらくなる。
もちろん学生の真摯な声にこの授業では応えられないと思うし、学生の悩みを解決することを目的で授業をするべきでもない。ただ淡々と自分の持っている知識の範囲で学問としての日本国憲法を教えることしかできない。僕自身は、現行の日本国憲法の理念が多くの人を救うはずであったと思うけれども、学問としては淡々と授業をするしかない。
ただ淡々とした憲法学者の知的営みの中に隠れるダイナミクスを感じてもらえればと思う。直接役に立たなくとも、小さな知的営みの試みが学生の苦しみを解消することにに少しでも役に立ってほしいと願う。
研究室に戻りエマーソンカルテットのラヴェルの弦楽四重奏曲をBGMに作業をする。この曲に流れるパトスは「なんとなく」日本国憲法と似ている、と感じ、また学生にそんな曲を聴いているような感覚の授業を提供したいな、と思いつつ。
主の平和。