期待されなかった「ぼくら」のいま

正月の「和ラーメン」

4月になっていろいろと業界内の「答え合わせ」があり、各大学のHPが更新されたこの時期にいろんな移動や昇進を知る。そして、高校3年生時のクラスメイトがとある大学の教授になっていることを知る。

3年間のうち最後の1年間のみ一緒のクラスだったが、高校時代の思い出は「(お互いに)あまりまじめではない」ってことだったので、お互いまさかこういう道に進むことになるとは思わなかった。彼から僕は美味しいラーメン屋とアイドルのことと映画の話をたくさん教わった。我が家はビデオすらなかったのだが、アイドル映画(特に原田知世とか)や洋画、古い邦画の話をたくさん教えてもらった。その彼が、、、いや先方も「吉井がまさか、、、」だと思う。

互いに回り道をしたけれども、それぞれ互いに研究者の道を進んでいたのだなと聞くととても嬉しい。高校生活ではあまりよい思い出はなかったけれど、上履きシューズのまま学校を逃げ出してラーメンを食べに行った日々はとても懐かしい。僕らは特進クラスではなく普通クラスで、学内的には何一つ期待されていなかった。あのエスケープの日々が互いを研究職に導いたのだと思うとそれも面白い。彼とは大学卒業後もいろいろと互いの人生に関わる大きなイベントを経験するのだが、、、それはまた別の話として。

ともあれ、高校時代に期待されていなかった我々の周囲の期待を裏切る人生はまだまだ続く。高校時代に一番波長が合わなかった教員は今や○○なのだとも聞いた。「あなたたちが高校時代に我々に下した評価がいかにいい加減だったか」と思う。高校時代の教員の評価なんて、その後の人生になんの影響もない。もちろん、我々が大学の教員だからといって偉くもなんともないのだが。「偶然」で周囲の大人の評価の低かったわれわれ二人が大学生に「教育」しているというのだから、世の中はなかなか侮れない。

一緒に高校を抜け出してラーメンを食べていた落ちこぼれの我々がいる大学を目指し学生が入学する。もちろん今は「おちこぼれ」という概念は高校にはないが、高校に居場所のなかった学生達の期待に応えられる教員に互いになれれば嬉しい。

主の平和。