呪いの言葉からの開放
安倍首相が退陣を表明し、彼の体調のことやあれこれで世間が騒がしい。森友学園をめぐる改ざん問題、岡山理科大学獣医学部問題、桜を見る会をめぐるあれこれなど、不透明な幕引きの多い問題を多く抱えた内閣だったように思う。また、コロナへの対応などの中、政治的な発言は非常にしくくなる雰囲気ができているように思う。
そんな折、法政大学の上西先生の著書、上西充子(2019)『呪いの言葉の解きかた』晶文社、読了。昨年発売されており、気になっていたの書籍をやっと手に入れる。噂に違わぬ素晴らしい書籍だった。
上西先生は2018年に厚生労働省の改ざんデータを指摘したことで、橋本岳議員からのバッシングを受けた経験を持つ。詳細を存じ上げなかったのだが、この書籍に書かれている法政大学と明治大学の対応がすばらしい。当然のことながら明らかな差別・侮蔑は別にして、大学人の発言を守ろうとしてくれる大学がどれだけあるだろうか。
また本書を読み橋本岳議員がコロナのあとにやった様々なトラブルもすでにその芽があったのだと思った。書かれている内容については、社会で経験するハラスメントに対応する実践的な対応策のオンパレード。特に末尾の文例集は、抱腹絶倒であるばかりか、実用的で非常に為になる(はず)。
あまり紹介すると著者に申し訳ないので、一つ二つ紹介すると。
・政治の話はしたくない
>じゃぁ暮らしの話をしましょうか
・○○を政治利用しないで
>あなたが生きていく上で政治に関係ないものなんてあるんですか?
といった具合。
巷に溢れる「呪いの言葉」によって、不愉快な毎日を過ごしている方にぜひオススメしたい。