ラオスでの陸路ビザ更新
※2015年12月24日更新。最新情報は在ラオス大使館HPなどで確認して下さい。
ラオスでビザ更新をしてきました。
日本にいる段階でEDビザ(学校教育ビザ)を取得したのですが、ビザの手続が変更したため、更新ができなかったのです。ともあれ、同様のことで悩む方々のお役に立てればと思いますので以下簡単に覚え書きを。
なぜVISAが必要なのか/なぜラオスなのか
まず大前提として、異国の土地を訪れるためには通常ビザ(VISA・査証)が必要となります。日本の場合は、その強い経済力を理解してもらえている相手国から「日本人は入国しても悪いことはなしないだろうし、勝手に就労することもないだろう」または「簡単に入国してもらって、多くの日本円をショッピング・宿泊・飲食を通して自国に落として欲しい」ということで、ノービザで入れる国が多いため、数日程度の滞在であればさほど気にせずに入国・滞在ができます。
タイに関しては,2015年7月現在で、日本人であればパスポートの有効期限が6ヶ月以上ある場合に限って30日の滞在がビザがなくても可能です。ということは、30日以上滞在する場合には必ずビザが必要になるわけです。留学を考えられている場合、30日以内で終わることは稀だとおもいますので、30日以上の滞在を希望する場合、日本滞在中にタイ大使館にてビザを取得しなくてはなりません。詳細はタイ大使館のHPで確認していただきたいのですが、観光ビザ(ツーリストビザ)の場合で60日の滞在が可能になります。
※なお、タイ滞在中にイミグレーションにて30日の延長手続を行うことが可能なため、シングルの観光ビザで最長90日滞在する事が可能です。
ところが、タイ滞在中に何らかの理由でビザを延長・別のビザへ変更しなくてはならなくなる、というケースがでてきます。
・思ったよりタイが気に入ったので長く住みたい
・観光ビザで入国したけれども、タイ語学校に通うために留学ビザに切り替えたい
・ノービザで入国したけれども、今度は観光ビザを取得したい
なんて時です。
そうした場合、タイ国内でビザを延長する・再度取得することはまず不可能です。唯一の例外は婚姻の場合のビザ取得でしょうか。そのため、それ以外のビザ取得の場合は一旦海外に出て、ビザ延長の手続を取らなくてはなりません。手っ取り早いのは、日本に戻り、必要な書類を揃えて日本国内のタイ大使館で取得することです。相手も日本語が使えますし、必要な書類もそろえやすく(戸籍謄本や、所得証明など)時間・コスト的な余裕があるならこれがオススメです。
しかし、タイに何らかの理由で踏みとどまりたいと思っている方々の中には日本に戻る時間・コストがもったいない、ということも多々あります。2015年7月現在で、タイと日本の往復にかかる費用は交通費だけで約8万円ほど。タイで生活を送ろうとする方々にはちょっと高いです。8万円あればタイでどれだけリッチな生活ができるか!
そこで、次に選ぶことができる選択肢は「日本以外のタイから行きやすい国でビザを更新する」ということです。考えてみればタイはカンボジア、ラオス、ミャンマー、マレーシアという国々と接していますし、これらの国々であれば飛行機でなくとも陸路で安価に入国可能です。また、飛行機で日本に帰るよりもシンガポールなどの周辺国に移動して現地大使館でビザを取得した方がぜんぜん安かったりするわけです。
「日本に帰らなくとも、付近の国においてあるタイ大使館で安くビザを取得するにはどうすればよいか」
という需要があるのです。
ところで、タイから安くで移動出来る国々であっても、全ての国々のタイ大使館で、ビザを発行してくれる訳ではありません。「安くで簡単にビザを発行できる抜け道」というのはタイ側にとってもそれなりにリスクがあります。特にパスポートのみで発給してくれるツーリストビザ(観光ビザ)は人気が高い分、身元を保証できない人間に簡単にビザを発給するわけにはいかないのです。。
2015年現在、タイ周辺の国々でツーリストビザを発給してくれるのは、ラオス、マレーシアのみとなります。特にラオスは近く、現在は多くの業者がタイ国内でビザ更新のためのツアーを設定しています。業者のツアーを拝見すると、バスによる変更だとバス車内泊、1泊3日(<本当にこういうフレーズ)3,300バーツ(ビザ更新料含まず)とか、飛行機仕様の1泊2日で9,700バーツ(ビザ更新料含まず)とか見つかります。
代表的なツアー会社として、AJツアー、Sabaijai Consultingを挙げておきます。
※なお個人的には「高価」だと思う、これらのツアーですが、添乗員がついているそうですので、タイ語が苦手な方(英語だけでも十分に往復できました)には便利だと思います。ただ、評判もピンキリで、全行程で日本人が付くのではなく、またパンフレットを見ると決してケアが十分でなく「場合によっては置いていく。責任は自分で」というような書き方がなされており、個人で行くのと大して変わりがないようにも思われます。もっともそういう無茶ぶりをする客の方にも問題があるので業者にも同情はしますが。このあたりは各人でご判断ください。
実は僕の場合も、妻の体調が優れず、何かトラブルがあったときのことを考えて、当初飛行機を利用した9,700バーツのツアーに申し込もうとしていました。ところが、その手続の最中の某社の対応が申込の段階であまりにも酷く、まるで信頼できなかったのです。私たちにとってはビザの取得は一大事なのですが、何度も約束を反故にされて、とても信用できず途方に暮れました。結局、その某社での申込時に手に入れた旅程表(全ての行程が詳細に説明してある)を元に自分で全て揃えることができました。そして、結論から言うと、各社が設定するバスの料金の3,300バーツがあれば、飛行機による往復+ホテル宿泊+食事まですべてまかなうことができました。
「節約系」の旅行であれば、まだまだ値段を下げることができますが、その時の気分としては「妻と二人でヴィエンチャンに行って美味しい料理でも食べて帰ってこよう」という発想に変わっていたため、「楽しく美味しいものを食べて快適に過ごしていたら、あら不思議、業者のバスツアーよりも安くなっちゃった」というだけのお話です。試算ですが、一人でバス往復するだけなら1,500バーツぐらいで往復できます。
経路は以下のとおりです。
0 出発前の準備
1 旅程1 バンコクドンムーアン空港からウドンタニーまで飛行機で飛ぶ(早朝一番の便)
2 旅程2 ボンタニからノーンカイ(タイ側国境)を超えて、ラオスの首都ヴィエンチャンへ
3 旅程3 ラオスのヴィエンチャンにあるタイ領事館にてビザを申請。
末尾に計算表をのせておきますが、トータル金額は3,000バーツかかりませんでした。以下方法を記します。
0 出発前の準備
・ヴィエンチャンのタイ領事館のオープン日を調べる
タイのビザを取得するためには、世界中のどのタイ大使館であっても
1日目の午前中に申請>2日目の午後に発給
という2日間が必要となります。ということは、仮に金曜日に申請すると、月曜日まで待たなくてはなりません。この間、のんびりとヴィエンチャンを見学したりしてもいいのですが、時間がない方も多いでしょう。また、月曜日、木曜日の申請は、タイからのVISA取得バスツアーでお見えになる方が多く、発給処理に手間取ると聞いています。
ということで、火曜日、水曜日に申請し、翌日に発給する、というスケジュールだともっとも短い時間で取得することができます。ラオスの在ヴィエンチャン大使館はHPで開館日を公開していますので、まずはこちらをチェックして下さい。
・飛行機チケットの確保
申請日を決定したら、それに合わせて航空チケットの確保です。ヴィエンチャンへのルートは、全てを陸路で行くコトも可能ですし、タイの国際空港から国際線でヴィエンチャンに飛ぶことも可能です。しかし、それでは結構お金がかかるので、ほとんどのヴィザ取得ツアー会社では
LCCを利用して、バンコクからウドンタニまで移動し、そこから先は陸路を使う
という方法が主流です。
もちろん、「安く」を追及するなら、バスなどのほうがよいのですが、体に負担をかけずに移動する方法はなんといっても飛行機です。バスで出発する場合、バンコクからだと12時間はかかりますので僕のように平日は仕事をしている人間には選択できません。またタイのバスの冷房とか苦手な方にはたまらないんですよね。加えて僕の場合、妻が体調不良のため、決して選ぶことができませんでした。また年配の方々にも僕にはお勧めできませんし、屈強な男性でもバスの旅は体に堪えます。
ですから、僕の場合はあっさりとLCCを利用しました。
Nok Air(日本語HPあり) バンコク−ウドンタニ間の最安値は片道799バーツ
Lion Air 最安値は片道399バーツ
なお最短でビザを取得するためには、どちらのエアラインでも始発便でないと難しいと思います。
※ちなみにこの航空券代も以下のサイトで空きシートを探すと、便・空席状況によっては、なんと片道400バーツで移動することができます。
AIRPAZ
・旅のスケジュールとホテルの確保
最低でも一日はヴィエンチャンに滞在するわけです。僕の場合は、「ヴィエンチャンで美味しいパンを食べよう」という目的を設定し、美味しいレストランに近いホテルを選びました。
ヴィエンチャンのホテルの予約については、Agodaや楽天トラベルなどで簡単に予約できます。これは旅の予算に応じて選んで下さい。なおヴィエンチャンでビザを発行してもらうタイ領事館の場所は以下の通りです。移動しやすさも考えておいて下さい。
・必要書類を揃える
ヴィエンチャンのタイ領事館でのビザ取得に必要な書類については、東京の大使館のHPと変わりません。ただし、アプリケーションフォームに関しては、ラオス大使館の様式に従わなければなりません。
(参考)観光ビザ取得に必要な書類
・3.5×4.5のサイズの写真2枚(バックは白でメガネ、イヤリングなどをはずすこと)
・パスポートの写真掲載のページ1枚
・パスポートの前回のタイ入国ページ1枚
・アプリケーションフォーム(2015年11月版)
※某社のHPでは、「ツーリストシングルビザは、金融機関の貯蓄証明書が必要ですが、弊社ツアーでは必要ありません」という趣旨のことが書いてありますが、ツアーを使わなくてもツーリストビザシングルであれば貯蓄証明書は必要ありません。こういう会社は使わないほうが良いですよ。(2015年12月24日追記)
1 ウドンタニへの移動
ドンムーアン空港には5:00に到着し、チェックイン。リュック一つの一泊二日なので、なんの問題もなくスムーズに搭乗できました。今回はNok Airを利用しました。Lion Airの空きもあったのですが、Nok Airに乗ってみたかったんですよ。単なる趣味ですね。
ドンムーアン空港の始発便に乗るには、バンコク市内(スクンヴィット周辺)からだと40分あれば余裕で到着します。僕の場合は、300バーツ(高速代金込み)で移動しました。高速道路を使わなくても十分間に合うのですが「たかだか100バーツでたらたら移動したくない」という感覚でしたので。
※また2015年12月現在、BTSモーチット駅からドンムーアン空港まで30バーツで高速バスがでています。
Nok Airでは水と菓子パン程度の軽食がでます。
2 ウドンタニ−ノンカイ−ヴィエンチャン
約1時間のフライトを経て、約7:00にウドンタニ空港に到着しました。到着して出口まで向かうと国境「タイーラオス友好橋」のあるノーンカイまで向かう「リムジンタクシー」が手ぐすね引いて待っています。一人あたり200バーツ。リムジンタクシーのほうから「イミグレいくならこのバスを」と教えてくれます。路線バスで行く方法もありますが、時間がもったいないのであっさりと乗車です。ワンボックスカーに揺られて約1時間でノンカーイのイミグレーションに到着です。僕の場合は7:50には到着していました。
そこからタイを出国します。必要なのはパスポートのみ。橋の反対側がタイ、ラオスというこの橋を渡って、ラオスのイミグレーションに向かうのですが、徒歩で渡ることはできません。このとき20バーツのバスに全員乗って移動です。上記業者などでは、この橋の移動の際にツアーだとタイ側から待たずに移動出来る、というのがポイントですが、20分ごとに1台走っていますので、特に業者バスを利用する必要はありません。
ラオス側に到着したら、ここもラオス側入国ポイント近くで、「タイの領事館にいくなら連れてってやるぞ」と客引きが。値段は200バーツです。
もちろん、ここで公共交通機関を用いて移動してもよいのですが(40バーツぐらいだそうです)、到着場所のヴィエンチャンのバスターミナルからタイ領事館まで移動する時間がもったいないですし、すでにこの段階で業者のバス旅行よりも安く往復できると確信があったのであっさりとタクシーに乗車しました。クーラーも効いていて快適でした。これから行われるビザの申請云々で体力を消耗するので、体力を温存するのもポイントです。
国境橋からヴィエンチャンのタイ領事館までは約1時間で到着します。僕の場合は9:10には到着していました。
3 タイ領事館到着後
ヴィエンチャンでまず到着したタイ領事館ですが、VISAの申請に関するオープン時間は、8:30〜12:00です。繰り返しになりますが、この時間に申請して、翌日受け取るのが基本です。
領事館の中には、チェックをする係の方がちゃんといらっしゃいます。彼がチェックをしたあと窓口に行きます。
で、軽くチェックしてもらい提出。
この時ダブルのVISA申請料金を支払って(2,000バーツ)、引き取り証を受け取って本日の仕事は終了。この段階で、10:00を少しすぎたぐらいでした。
感想としては「実にあっさり」というものです。前もって書類を作っていればなんのトラブルもなく受理してくれます。
※2015年11月の手続改定後、ビザの発行手続は
1日目 書類提出
2日目 パスポート受け取り、申請料金の支払い
と変更されています。またダブルは廃止になりました。ヴィエンチャンの大使館では発行していないとのことです。また申請料金は2日目のビザ受け取りの際に支払うようになりました。(2015年12月24日追記)
タイ領事館からホテルまではこれまたタクシーで移動。一人あたり100バーツ。タイの感覚からすると少し高いとも感じましたが、まぁ朝から動きましたので、楽をしました。また歩けない距離ではなかったんですが、「早く寝たい」という思いが強かったのです。ちなみにですが、ツアーで来られた方々は、全ての方々のビザ申請が終わるまでホテルまでのバスを出発できないようで、ずっと待っていらっしゃったようでした。こういうところでもツアーと異なって個人旅行は自由に動けるので楽です。明日の発給までゆっくりと時間を過ごします。
※ちなみにですが、ラオスのホテルを予約するときにAgodaで「早く到着する可能性があるので、その場合に早く部屋に通してくれ」と頼むと空き部屋があったら先に荷物を入れて寝かせてくれます。特に業者を介さなくてもこれくらいのサービスはしてくれます。
メコン川沿いのちょっとした有名なホテルに宿泊しました。10時30分にはチェックインして、妻と二人で仮眠。それから12時過ぎに起床し、今回の旅の目的であるラオスでもずば抜けて美味しいと評判のベーカリーカフェにて食事です。噂のビアラオ(黒とゴールドを含めて3本)をいただいて、久しぶりに美味しいバゲットサンドを食べました。もうね、口の中が血だらけになるぐらい表面がパリッパリの硬いパンなのですが、口に含むと小麦の旨さがぎゅっとでてきて、ハムやチーズと合わせるとさらに美味しさが引き立つパンでした。
それからメコン川を軽く散策し、夕方はラオス料理を堪能。僕が飲まなければもっと安くですんだのですが、観光としては言うことなしでした。
3 ホテル−タイ領事館−ノンカイ−ウドンタニ
翌日再びタイ領事館です。13:30からビザの発給です。領事館の午後の開館時刻は13:30ですので、それに間に合うようにいけば大丈夫です。どんなに早く行っても前日受け取った番号通りにしか発行してくれません。ですから、ゆっくり食事を取ってそれから向かえば大丈夫です。昨日訪れたレストランが素晴らしかったので、今回はワインなどをいただいてバゲットサンドにかぶりつきました。フランス留学したとき以来の快感です。ホテルのビュッフェに食べ飽きていたのもあり、この頃になるとすっかり余裕で、飲んでばっかりで「いかに楽しくこの旅行を終えるか」という風に目的が変わってきました。最後はシェフのお兄さんと強く握手。「またおいで!」という声を背にタイ領事館に向かいます。
発行も実にスムーズ。13:30にオープンし、受給が始まります。僕の番号69番がコールされたのは14:10頃。受領すると今度は逆の手順で帰宅。泰領事館前のタクシーに乗り(やはり200バーツ)、ノンカーイからウンドンタニ空港もタクシー(200バーツ)で移動。
なんのトラブルもなく移動が完了です。あっけなすぎて、ウドンタニの空港で2時間近く時間があまり、やはりここでも旅の最後のビアラオをいただいてバンコクに戻りました。
収支決算
で、計算してみると、
・交通宿泊費
航空券代(往復) 990バーツ
ウドンタニ空港−ノンカイ(往復) 400バーツ
タイ出国エリア−ラオス到着エリア(往復) 40バーツ
ラオス入国・出国税(往復) 20バーツ
ノンカイ−ヴィエンチャンタイ領事館) 400バーツ
タイ領事館−ホテル(往復) 200バーツ
宿泊 870バーツ(注2名)
合計2,920バーツ
※なお上記金額には食事代が含まれません。金額で考えると、業者のバス旅行が安上がりです。ただし、業者の提供している航空機ツアーを使うよりは格段に安いです。
1 時間が無駄にならない、2 1泊2日で全てが終わる、という点ではラオス行きはぜひ飛行機で、と思いますが、そこは人それぞれで。またくり返しますが、タイ語に自信がない場合は業者のツアーを使うのも一つの方法です。ちなみに僕自身はタイ語の読み書きが出来ますが(10年前にUNIONのModule 6終了程度です)全行程で英語が通じます。タイ語・ラオス語が出来なくても大丈夫です。
あと、ホテルのビュッフェってあまり好きになれないんですよね。ホテルのビュッフェには和食も出すサービスもあるのですが、朝はあまり食が進まないのと、「ラオス解釈による日本料理・西洋料理」があまり口に合わないタイプなのと、「食べ放題」という文化があまり好きではないのです。むしろ好きなモノを腹八分目で食べるほうが健康に良いというタイプなので、パンの美味しいラオスで美味しいバゲットを食べないわけにはいかない!とも思います。
というわけで、以上簡単ですがご報告です。ラオスでビザを更新する方にとって何かのお役に立てば幸いです。