Robin Williamsの訃報に接して

昨日昼にRobin Williamsの訃報が届いた。ただただ悲しい。

このタイミングでしか書けないことなのですが、僕が教員になるにあたって理想の教師像としていたのは映画『Dead Poet Society』(直訳では「死せる詩人の会」。公開時の邦題は「今を生きる」という邦題でした)で彼の演じた教師、キーティング先生でした。

舞台となった高校で、英語教師として古い教科書を破り、人生を前向きに受け止めさせようと学生に話をする姿は、武田金八よりも北野先生よりも理想の教師像として僕の心に深く刻まれました。そしてこの映画の教師役はRobin Williams以外の役では、こんな深い感動を呼び起こさなかったと思っています。劇中では「古い知識を唾棄するべき」として教科書の頁を破ったり、「違った角度から世界を見るべきだ」机の上に立ってみたりしていましたが、実際にやるわけではないにせよ(<似たようなことはしてきましたが・・・)こういう教員になりたいと今でも思っています。たかだか映画で、イミテーションの世界なのですが、それくらい入れあげていた数少ない作品でした。

劇中にホイットマンがリンカーンの死に際して作った詩の一節が何度も登場します。"Oh Captain, My captain!"というフレーズで、初めての授業でキーティング先生が「できたらこういう風に自分を呼んでくれないか」と学生達にお願いした台詞として登場します。ラストシーンで学校を去るキーティング先生に学生達が机の上に立って"Oh Captain, My captain!"と呼び、先生の意思を受け継ぐことを学生達は表明するのですが、名優の死に際し僕もまたRobin Williamsに"Oh Captain, My captain!"と呼びたいと思います。

The Guardianのコメントには「自殺とうつは自発的(selfish)なものではない」という文章で、今回の哀しいニュースから我々が何を学ぶべきかまとめてあります。特にうつに対する無知について、我々は自覚的にならなくては。