度数の高いお酒のような
知人のお母さんが亡くなったという知らせが届いた。
知人はもうすでにこの世になく、連絡をくれたのは、知人の妹さんだった。もともと速い頃に父を亡くした知人だったため、その妹さんは知人の家で残った唯一の人間になったのだそうだ。
知人のところには、ちょうど一年前に墓参りに尋ねたばかりで、そのときお母さんともお話をしたばかりだった。
知人の墓参りの時、お母さんが「ゴンタさんはいいねぇ、立派になったねぇ」と、当時人を信じられずに心の奥底にあるどろどろした気持ちを処理できず、ずっと苦しんでいた僕は、その言葉に心を突き刺されたような思いがする。
-「立派」なんかじゃない-
と思いながら、お母さんの言葉をぐっと飲み込んだ。度数の高いお酒を飲むように、喉が焼けそうになった。
今日はそんなことを思い出して、かなりこたえた。