映画

学生と映画を観る。

一応授業との関連で、陪審制をモチーフに三谷幸喜が描いた作品で『12人の優しい日本人』という映画。もともとは舞台作品で、三谷さんが得意な密室劇。本当なら『12人の怒れる男』でもよかったのだが、洋画というだけで、うちの学生たちは引いてしまうこともあり(「授業中に観る映画」というだけで、すでに及び腰のところがあるような雰囲気なんですよ)、三谷脚本によるコメディー版を流す。

もちろんコメディーで、まったくそのまま日本の裁判制度を語る道具として使用するつもりはないのだが、「論理的に(法的思考に基づいて)物事を考える」「陪審員として行動する」ことを考えるよい機会になったと思う。

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学生に考えてほしいことはいろいろあるのだが、やはり「いくらその人に苦しいことがあっても、かわいそうな事があっても『罪』は『罪』なのだ」ということを伝えられただけでも良かったと思う。情状酌量の余地はあっても、罪は罪なのだ。他人に与えた損害は償わなくてはならない。

簡単なようでいて、こういったことがわからない学生が多いことはただただ残念だったので、今回の映画を通じて、そういったこともよくよく把握してもらえればと思う。

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映画のはじまりというのは、おおよその場合ゆっくりでたいくつだ。そのため、学生も当初くいつきが悪く、一斉に寝てしまう。が、話が佳境にはいると学生の食いつきはたいへんよくなり、加えて授業時間をオーバーしてしまったときも「もう少しみたい」と学生からブーイング。

チョイスもよかったのだが、やはり映画は学生に一番身近なメディアなのかもしれない。この町には映画館の数が少ないため、学生が観ることの出来る映画は少ないのが残念だ。

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ついでに書いておくと、再来週釜山に行くことが決定。何もかもすばらしいことが続きすぎる。しばらく肉類は絶って、韓国の焼き肉を胃に流し込む準備をしておかなきゃ。