ニッポン放送とか「恋のチカラ」の再放送とか

昨日知り合いの研究所からお借りしてきた書類をめくりながら、テレビ視聴。

ライブドアのニッポン放送買収劇は新局面に。堀江社長がニッポン放送がフジテレビに新株予約権発行を差し止める仮処分を申請裁判所に提訴したようだ。

んー、この件についてはすでに多くの人がマスコミとかブログとかで書いているんだが、ちょっと違った視点から言いたいことがある。

それは、買収されるニッポン放送の業務についてさほど議論されていないことである。

ニッポン放送というのはご存じの通り1242Mhzで提供されている日本屈指のラジオ局なのだが、それ以上の情報がどれだけ今回の騒動の中で報道されたのだろう。今の若者層や経済人で、ましてや堀江氏もフジテレビの人間もニッポン放送の番組をどれだけ聴いているのだろう。堀江氏は「インターネットと既存メディアの融合」を目指すなんていっているけれど、AMラジオのどの部分を融合させるのだろう。またフジテレビ(ニッポン放送も)は業務提携なんていっているけれど、どういう部分で業務提携ができるのだろう。

データとかないので想像の話なのだが、ニッポン放送の視聴者は、ずっと耳をラジオに傾けている層ではなく、「ながら族」が圧倒的に多いものだと思っていた。オールナイトニッポンなんかその典型的な例で、受験勉強の合間に聴いていた人は多いんじゃないだろうか。またあとTBSの「唄うヘッドライト」という番組なんか、トラックドライバーの視聴率がやたら高いし、昔よく通っていた病院ではテレビも良く観られていたけれどもラジオ派が多かった。

「ながら」が悪いというのではなく、ラジオはそういうメディアであるということなのだと思う。今話題のNHKだって、テレビの視聴料はとるくせにラジオの視聴料は徴収しないというメディアで、あえていうと「災害の時に役に立つ」ぐらいの認識しか持っていない人のほうが多いと思う。

AMラジオは数年前にステレオ放送が開始したとはいえ、音質の面では周波数の特性からFMラジオに遠く及ばず、当然音楽よりもトーク中心の番組が多い。AMラジオのリスナーがラジオを好むのは、ラジオを聴きながらの場合他の仕事が平行してできることだ。

・・・そうしたラジオをめぐる状況を考えたときに堀江氏がいうような「融合」がどの程度可能なのか疑問だ。ラジオを聴きながら仕事をしているリスナーがその一方でパソコンを立ち上げ、ネットに接続し、メディアミックスを経て提供される情報にアクセスする?

・・・ありえない話だと思う。

いや、僕の想定しているリスナーというのが全く現実に即していないというのでもいいんだが、今どれだけのリスナーがいて、どういう状況で聴いているのか今回の話の中でまったく登場していないのがどうかと思う。

ニッポン放送とライブドアの間にどうやってインターネットとの業務提携の余地があるんだろう。ライブドアが業務提携をしたとして、どういうメリットを視聴者は受け取れるんだろう。

会社は株主のためにあり、顧客(CMを流す企業)のためにある。まぁそれはそのとおりなのだが、視聴者はおいてけぼりの議論なんだなぁと思う。

ちなみに、僕は10年近くビバリストで、今をときめく楽天の田尾監督が夕方の番組をやっていたときから楽天の監督就任の経緯を聴いていて、テリーさんの番組も自宅にいるときは欠かさず聴いている。朝の番組も森本さんの番組はもちろん、井筒監督の番組も映画好きと言うこともあるけれど、ずっと聴いているし、三宅裕司の日曜の番組を聴いてから教会に行くのがずっと日課になっている。タイに留学していた折もずっとネットラジオで「オールナイトニッポン」を聴いていた。もちろんニッポン放送には不満もある。平日朝5時からの大変下品なアナウンサー(<どうやらこの人が武蔵小杉周辺に住んでいるらしい)の番組も「心のともしび」聴きたさにずっと聴いている。

今回の株式取得については堀江氏支持の立場なんだけれども、ラジオ好きな僕としては今回の結末がどうなるにせよラジオの視聴者に不幸な結末にならなければな、と思う。

---

それはさておき、今日たまに観ていた「恋のチカラ」というドラマの再放送が終わった。
「深津絵里が可愛い」
とか、
「堤真一がかっこよすぎる」
とか、
「プランナーの割に、出されるポスターがしょぼいような気がする」
とかそんなことは抜きにして、みょーに涙腺を刺激されたドラマだった。

「がんばれば報われる」
というドラマの世界は嘘っぱちだとは思うし、「できすぎた話」なんだけれど、やっぱり「美しい」。「みんな」とは言わないが、こういうドラマを見て少なからず「おもしろい」と思うんだろう。それは決して笑うことのできないもので、誰の心にも潜む美しいものへのあこがれだ。ああ、プラトンってこういうことをいいたかったのかなぁとちょいと思ったり。

現在再放送中の「アンティーク~西洋骨董洋菓子店~」にも言いたいことがあったのだが、それはまた明日にでも。