散歩

引っ越してからというもの事件続きでばたばたしていたため、いまだ周辺しかしらない新丸子を歩いてみる。住宅街ではあるのだが、ところどころに特色のある店や場所があり、なかなか楽しい散歩になった。

一時間ほどの散歩の中で多摩川まで歩いて出てみた。 川縁から流れてくる風はすっかり秋の様相で、夏のあのしめった風とは大きく異なっていて爽快だ。東急東横線の架橋の下では、ノラネコが大きくのびをしていてのんびりとした風景をさらにのんびりとしたものに変えていた。遠くのほうではどこかの高校の野球部のメンバーが声を出している。陸橋の上は轟音を立てて電車が走っていく。

そんな風景をみながら、のほほんと空を見ながら川縁を歩く。ああ、こういった感覚を忘れていたのだなぁと今更ながら思う。

帰りに商店街からは少し離れたところにあるポトスとグリーンネックレスが多くおいてある花屋で、コスモスを買い求める。鹿児島の生まれ育った地方では、河原中にだれがまいたんだかとりほうだいのコスモスも都会じゃこうやって買うものなのだと実感する。家に帰ってきて、空いたワインのボトルに活ける。さまざまなことで忙殺されていて、秋をまだ楽しむことができなかったこの部屋にもやっと秋の気配が。食欲の秋と、なにより力を注がなくてはならない勉学の秋は未だ十分でないのだけれど・・・。