フィールドで生活する

研究者がフィールドにはいるとき、どれだけの研究者がフィールドを愛せるのだろう、とそんなことを考えた。

村の人々が嫌いなわけではもちろんないし、彼らがいろいろな問題を抱えながらも生きる力に満ちあふれていて、とても羨ましいとさえ思う。日本でもそういった人々がいないわけでもないし、世界にはそういった生きる力に満ちあふれている人がもっとたくさんいるだろう。 僕にとってこのフィールドが、自分にないものを持っていることに妬み、羨んでいる場であるということを否定できない。自分にないものを持っている「羨ましい」という思いが、僕をフィールドに動かしている。そして、それはここで生きる人たちの苦労を知らずに、一方的に生活を切り取っているだけじゃないのだろうか。それは妬み、であって、僕はフィールドの人たちを愛してないんじゃないだろうか。

そんなことを考えながら、今日、実に久しぶりにフィールドワーク先の村に戻る。