海老天のしっぽ

大寒を迎え、明け方のひんやりした空気の中で目を覚ます。枕元の温度計付き目覚ましの温度をみながら、「日本にいる」ことを実感する。

今日は朝から家庭教師。入試直前のため、朝10:00から夕方6:00までつきっきりで指導。本番前の生徒さんも、教えるこちらも必死。昼は家庭教師先のお母さんが、肉を食べられない僕を気遣ってくださり店屋物をとって頂く。天丼なんて実にひさしぶりで、生徒さん、お母さんと3人で食卓を囲みやさしい味のする天丼をいただく。
そうして天丼を食べながら「いつもの」調子で海老天のしっぽまで食べている事に気づく・・・。口卑しいと思いながらも、幼い頃から海老天(海老フライ含む)のしっぽのかりかりしたところが大好きで、ついつい食べてしまう。すべて食べ終わってから、この事実に気づき、恥ずかしい思いでいっぱいになる。決してブルヂューのマトリックスに「海老天のしっぽを食べる」なんて項目は出てこないだろうけれど、自分のハビトゥスが出てしまう瞬間だ。まるで業田良家『自虐の詩』みたいだな。
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家庭教師からの帰宅路、商店街の花屋でデンドロビウムの花を一輪買う。輸入物のデンドロビウムはそれなりの値段がしてちょいと懐には重い買い物。思えばタイに住んでいたときは、よくデンドロビウムを人に贈ったものだが、こうして自分のために買うなんてことはなかった。自宅のビールグラスに活けられたゆっくり揺れるデンドロビウムを眺め、タイで過ごしたようにゆっくりと時間を過ごす。