モンの名前をもらう

H村で儀式。今回モンの名前を改めてもらうことになった。Xeemsuv(センス)という今までの名前は、「心」と「温かい」を意味する名前で、これはこれで良い名前だと思って大切に思っていたのだが、村長さんからの電話で村を去る前に新しい名前を付けてもらえることになった。人生の門出に新しい名前を付けるのはモン族ではよくあることで、以前は鶏を二羽つぶす軽い儀式だったのだが、今回はかなり大規模な儀式をするそう。この日3歳になった豚を潰し、豚のフルコース。酒を飲み、カラオケを歌い、一つの大きな祭り。村のほとんどの男性、そして郡長までやってきた。女性陣は宴会場とは別にセッティングしてそこで食事をとる。お世話になったおばあちゃんは、「男達はなんでもいいから酒を飲む理由が欲しいのよ」と、笑いながらこぼす。

村のシャーマンと村長さんが二人して考えて付けてくれた名前はNthiabZoo Toj。「トー家のティアジョン」となる。Nthiabは「新しい」、「始まり」といった意味、Zooは「良い」「良くなる」という意味で、「人生がますます良くなるように」という含意がある。

名前が発表され、村の人たちが一人一人僕の右手に糸を巻く(マット・ムーという)儀式を行う。改めて日系モン族となり、「NthiabZoo」と、声をかけられる。まだまだ違和感が有るけれど、徐々に慣れていこう。この名前を呼ばれるたびに、人生が益々良くなることを祈りつつ。村の人たちに感謝を忘れないように。