花も咲く

胡蝶蘭

先日誕生日の折にいただいた胡蝶蘭の蕾が全て開いた。

しばらく自宅に飾ってあったのだが、飼い猫がいたずらをするので研究室に移動して愛でている。これまでの人生の中で、花を贈ることは数多くあったのだが、このような素晴らしい花をいただいたのは初めてで、一鉢の花がこのように毎日に多くのめぐみを与えてくれるとは思わなかった。

毎日研究室に登校し、今日はどの蕾が開いているか眺めるのは本当に楽しい。決して強い香りではないのだが、研究室の空気が優しくなったような気がする。

送ってくださった方が胡蝶蘭の花言葉と、胡蝶蘭の縁起を教えて下さった。「胡蝶蘭は幸運を運んでくれる花」なのだ、と。

胡蝶蘭は種(実)をつけるものの、無胚乳種子のため自分の力だけで発芽することができない。人間が大切に育てることでしか花は咲かない。

植物同様に人間も自分が撒いた種からしか花を咲かせられない。もちろん人間は、花とは異なり「ほっといても育つ」ことは可能だろう。だが、周囲の方が水を注ぎ、手入れを下さるようなサポートを抜きに人間の努力は花開かず、また成果は出ないのだと思う。

この学校に赴任する前の無名の僕を、多くの先生方や友人、そして今回お花をいただいた方や周囲の方々に大切に育てられたのだと思う。そして、この学校に赴任してからは、多くの同僚やこの土地で知り合った友人達、学生にも育てられた。

50歳になってまだ「天命」は見つけられないが、今後はこれまで以上に周囲を育てる立場にならなければ。

「花は咲く」というとNHKの東北大震災復興ソングが有名だけれど、喜納昌吉の「花」のほうが僕にはぴったりくる。

コロナのことで、または様々なことで苦しむ学生を目前にして、救えるような言葉を何一つかけられない自分は、教員としてはまだまだ浅いと思う。流れ流れていく(今を苦しんでいる)学生にもいつか花が咲けばいいな、と願う。そして流れ(苦しむこと)の渦中にいる学生を支える力をなんとかして持てるようになりたい。

主の平和。

富山大学学術研究部教育研究推進系准教授

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