南九州(限定的でも可)の音楽界隈の問題点(まちおん連載22回目)

今回のお題は「南九州(限定的でも可)の音楽界隈の問題点」

南九州だけではなく、日本全体の音楽の問題として、「ホール問題」を挙げておきたい。
公益社団法人全国国立文化施設協会

に登録されているデータでは、都城の隣接圏域に以下のホールが開館し、現在も運営を続けている。

1983年 大隅文化会館(旧大隅町)
1985年 末吉総合センター
1993年 小林文化会館
1996年 財部きらめきセンター(旧財部町)
2001年 三股町立文化会館
2004年 都城市ウエルネス交流プラザ(ムジカホール)
2006年 都城総合文化センター(MJホール)

吹奏楽部の顧問をしていると、これらのホールにはそれぞれお世話になっており、また音楽以外の儀式(成人式など)に利用されることもあり、さらに知人も多く働いているため、その運営にはさぞ心を痛めているだろうと思う。

今後これらのホールは人口減少の中で、間違いなく「取り壊し」が問題になる。1966年に開館した都城市民会館は、その機能はMJホール開館に伴い委譲したが、その建物の外観のユニークさから、評価も高く保存運動が繰り広げられた。僕自身も2006年に閉館前のイベントとしてオペラ『夕鶴』を都城市民会館で見たのだが、決して悪くない作りだと思う。ただ、この建物は皆さんもご存じの通り、その後南九州大学が所有することになるも、使用されないまま2019年に解体され今は更地になった。

これから人口減社会が加速する中で、これらのホールは、維持費だけでも大変な財政負担になるし、また解体するにしても大変な負担になる。もちろん緊急災害時の避難者収容施設やその他の想定できないような災害の防災施設として使用するという目的もあり、またMJホールとムジカホールのように建設費用の出所が異なっているのは承知の上で、「今後もこの数のホールがこの地域に必要なのか」とは思う。ここには全て書き切らないが、旧高城町、旧山田町、旧山之口町の多目的施設の利用もどうなるかわからない(今使用している人がいない、ということではなく、今後の問題として如実に表れる、という話)。

冒頭に書いたとおり、これは日本全体が抱える問題で、別に都城だけが抱える問題ではない。「音楽があるところがコンサート会場になる」、というまちおんのようなストリートミュージックも必要だけれど、ホールを必要とするクラシック音楽やパフォーミング芸術も多く存在する。

人口減が確実な日本において、どのようにホールと共存を図るかはこの地域だけでなく日本中の地方の課題として立ち現れるだろう。「誰が」「どういう名目のお金で」壊し、場合によっては「どういう名目でまた再建するか」という問題として。

富山大学学術研究部教育研究推進系准教授

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