三日月の下

コーラスの定期練習日。

練習会場となっている幼稚園にでかけてみると、手違いがあり鍵がかけてあって中に入れない。

「あらーどうしましょう」と、メンバーが集まる中、常任指揮者が

「じゃぁ、外でこのままやりましょう」

と幼稚園の校庭でコーラスの練習。そらにはぽっかりと三日月が浮かび、楽譜も読めない中で、アカペラの練習。

BYRDのKYRIE(ミサ曲で「主よあわれみたまえ」という歌詞)をゆっくりと歌う。しめった風が頬をなぜる中、僕らは声を一つにする。

ゆっくり、ゆっくり、僕「ら」は「ひとつ」になっていく

誰となく
「これもまたいい思い出になったね」
と、声をだす。僕らは思い出を作るために歌を歌っているわけではないけれど、この風景のことを時折思い出すだろう。


でも、ようよう考えてみるとあんな町中で、22時ちかくまで歌の練習をするというのは近所さんには大迷惑だったんじゃないだろうか。

富山大学学術研究部教育研究推進系准教授

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