Pomera Linux(Debian)と聖書リーダ

2017年7月現在、僕はこの原稿をキングジムのポメラにインストールしたDebianでEmacsというソフトを用いて書いている。

ポメラというのは、KINGJIMが販売するテキスト入力マシンで、文章入力に特化したマシンである。僕はこのマシンを初代機のDM-10からずっと使い倒していて、そのあとDM-100、現在のDM-200と使い倒して現在に至っている。
というか僕自身はポメラ以前に同様のコンセプトのマシンである富士通のワープロOASYS Pocket、及びその後継機であるOASYS Pocket 2,3、モバイルギア(いわゆるDOSモバ)、Windows CEモバイルギア、はたまたJorunada 720使い倒して今日に至る。並行的にはさらにCLIEやザウルスも持っていたり。

こういうキーボード付きモバイルの遍歴をめぐることになった一番大きなきっかけは、慶應SFCという日本で最初のコンピュータを中心とした大学院に進学したことが大きい。この大学では、当時最先端だったUNIX(それもSolaris)端末を学生にあてがい、メールサービスなサービスを提供していた。学内ではEmacsが標準のテキストツールおよびメーラーとして採用されていた関係で、Emacsにすっかり体が馴染んでしまったのだった。

「ポメラdm200にLinuxを入れてどうするの?」と聞かれるが「Emacsが使えるからだよ」としかいいようがない。Emacsが使えることで、扱えるテキストファイルの上限がなくなる。これまでの論文(僕は基本LaTeXで執筆)全資産が使える。

なによりもファイルサイズの上限がなくなることでビューワーとしての可能性が広がるのも嬉しい。特に聖書が手放せない僕には共同訳はもちろん、TEVもKJVもそして相互参照も可能な電子聖書ビューワーに変化することが重宝している。こんな使い方をするのはあまりいないと分かっているのだが、出先で聖書を簡単に開くデバイスがほかに見つからないのが現状のため、本当にありがたい。

日本語の聖書ビューワーをめぐる環境は、この数年で大きく悪い方向に変わったように思う。

今のもっとも普及してるスマートフォンデバイス(iOS及びアンドロイド)で聖書を扱う一番簡単な方法は、Kindleで販売されている共同訳の聖書を購入することである。


しかし、2017年現在では新訳聖書しか販売されておらず、また縦書きオンリーで自由度が低い。Apple Storeで販売されている製品としては以前はMobilisという聖書リーダがあったのだが(3,000円もしたのに)気がつくとStoreから消されていた。新共同訳の聖書は著作権がらみのことで揉めるせいか、しょっちゅうこういうことが起こる。その昔Palmが全盛だったころは、「もばいぶる」という製品があり、かなり自由度が高かったのだが、今や携帯端末の主流はすでにスマートフォンに取って代わられ、使えなくなってしまった。

ところがpomera DM200上にLinuxをインストールした環境であれば、Emacs上で旧約聖書も新訳聖書も読める。

僕の手元にはもう20年以上前にPC98用(5インチFDの時代)に購入した聖書テキストがあるので、そのテキストを使い回して持ちあるける。ありがたいことにこのテキストデータは当時の利用規約の範囲であれば、テキストデータを抜き出してリバースエンジニアリングが可能で、そのソフトから抜き出したテキストを今でも利用できている。当時は2万円近くしたデータで高いと思ったけれども、今になって考えてみると十分にモトをとれたと思う。

まだまだ自分が使いやすくするために、いろいろと手をくわえている最中ではあるが、グーテンベルクが活版印刷聖書を生み出した苦労に比べたら、市販のマシンの改造をめぐる苦労なんて本当に些細なことだと思う。

※こういう環境を開発してくださったpomera Linuxの開発者@ichinomotoさんには頭が上がりません。興味を持たれた方は以下を参照ください。

Linux on Pomera DM200 人柱版 その2

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