原子炉を運転してきました

8月28日,29日と近畿大学で開催された「原子炉実験・研修会」に参加してきた.低出力の1Wという近大炉をなんと実際に運転する機会をいただき,文系の原発研究者としては非常に感慨深いものがあった.

実際に経験して理解したのは「低出力の原子炉はそれほど危険ではない」ということであった.そして,「商業炉は危険」という認識もかわらなかった.商業炉である原子力発電所は,300万KWということであるから,近大炉の30億倍の出力である商業炉が安全だと思うほど脳天気でもいられないと思った.何よりもタービンを回す際の話,一次冷却水の話,熱拡散の話などふれずして,商業炉の安全性などとてもはかれないなぁ,と.

加えて驚いたのは,今回の講習会の交通費・宿泊費・昼食代がすべて支給されたこと.さすがに日当などはでなかったが,原子力関係の研究は,啓発活動も含めて,いろいろと潤沢な資金があるんだなぁ,と思うわけで.無論,研究所のみなさんの努力があった上で,こういったイベントを開催することができるのだろうが.