象のフン

タイで生活をするようになると、当初は驚愕したことだったのに、徐々にその感動が薄れ、日本に居たときは絶対にありえないことでも、普通に受け流していることに気付く。例えば、クゥィッティヤオという麺に、ナンプラー、唐辛子、唐辛子入りの酢、そして砂糖を入れる事とか。日本からやってきた友人の指摘で、「あ、そういえば普通にやりすごしていたなぁ」と思うことが多い。

昨日、車を運転するようになってから、そのときの感想をごくごくさらっと知り合いに話したところ、やっぱりとても強烈な反応をもらった。話したネタは「タイの運転で怖いもの」という話だった。車の多さ、マナー、スピード、というような、割に知られた話ではない。ドイ・インタノン周辺では、行き違う車もそんなにない。別の怖さがあるのだ。

ドイ・インタノンの道を行き来すると、絶対に日本でお目にかかることのできない動物とすれ違うことがある。犬や猫や馬や牛や鹿なんてものではない。ずばり象なんである。もちろん野生ではなく、観光用に象使いが上にお客さんを乗っけて居るんだが、見通しの悪いカーブを曲がったときに、ぬぅとあののそっとした体がでてくるととても驚く。大人の象だと、その鼻で簡単にジムニーぐらいならころがしてしまうそうだから、怒らせないように静かに横を通り抜ける。

そして、さらに気を付けなくてはいけないのは、象のフンである。道のところどころに、バケツ1杯から2杯分の物体がころがっていて、うっかりふんでしまうと、その粘着力の強さから、ずるずるっと、スリップしてしまう。象の糞で死亡、ということだけは避けたい。

タイの生活・・・いろいろだ。