令和4年版『生徒指導提要』のテキスト分析

どれだけ需要があるかわからないのですが・・・

昨年12月に『生徒指導提要』が12年ぶりに改定されました。小中高の先生以外には知られていない文章ですが、生徒の指導に関する国の方針がまとめられています。

教職希望の学生は、この提要から出題される問題で教職採用試験を受検します。教職採用試験の必須科目なのです。そして、今年に関しては昨年12月にだされた新提要をベースに7月に試験問題が出題されます。また各教育委員会のみなさんは、この提要をベースにそれよりも早く5月ぐらいには問題を作り終えるはずです。

昨年度の発表時からこつこつとテキストのクレンジングや分析をしており、今月初旬に無事にそれらしい結果がでました。それから1週間で手近な学会報告に向けたペーパーを書き上げ昨日IEEEに論文を提出できました。無事に昨日アクセプトされて、新規性は保たれましたので基礎データだけ公開します(いいだしっぺが勝ちなので)。

1枚目のデータが各章(今回旧版の8章構成から13章構成に増加)と頻出単語の組合せ、2枚目のデータが新版全体から見た各言葉との組合せです。分析が終わるまでのこの1週間はストレスフルでした。

識者による解説はすでに『教育新聞』等に掲載されていますが、データに裏付けられた解説は第一号になるかと思います。クレンジングの手法や使用単語の傾向、単語数・センテンス数などの基礎データ、旧版の平成24年版との比較については論文内で詳細を報告しています。公刊された折にはまたご連絡いたします。

もちろん
「報告書の変化は、読めば分かる」

とおっしゃる方もいるかと思います。もちろんキャリアのある先生方のそういった読解も重要なのですが、数値データをもとに図式化することにもまた意義はあると僕は考えています。特にこれから受験に臨む学生達には特に。

残念なことに僕が現在所属する学会のうちに教育学や教育工学系の学会がなく、5月に英語で先に海外の学会で報告ということになりました。それが少し残念です。

教職課程を指導される方の参考になれば。

主の平和。

追記

現在教育学系の学会への入会を考えているのですが、こういった研究をどの学会で発表すればよいのかわかりません。ええ「じんもんこん」は知っていますが、すでにその上部組織のIEEEに直接英文で送ったので、それはパスで。IR系にも今後は着手します。教育学系の方で、こうした分野に詳しい方にご教示いただければ幸いです。

バブルの大きさはその単語の登場カウントになります。一番大きいバブル「生徒」は1600前後文書内に登場します。今回の提要から「教員」がなくなり「教職員」と表記が変わりました。教員だけが学校で子どもの教育に携わるのではなく、教育に携わる職員、例えばカウンセラーなどを含めたチーム教育の姿勢が表れていると僕は判断しました。