吹奏楽部定期演奏会

遅くなったが一括でアップ

23日から27日まで、学生が5人(Maxで6人)宿泊していた。吹奏楽部の定期演奏会のためで、冬期休暇中に初めて開催することになり、寮で生活する学生の多くが行き場がなくなり自宅で引き受けることになった。

現在僕が寝起きする高専の宿舎は独身用がなく世帯用のみ。そのため、独身教職員のすべてが2LDKSという間取りの部屋に住んでいる。東京で生活していた時には8畳ほどの部屋にすべての荷物を詰め込んで生活していた訳で、どう考えても部屋が多すぎる。自宅に研究室を作り、オーディオルーム(別名トロンボーン部屋)を一つ作ってもまだ部屋があまるという状況でまぁ雑魚寝であれば学生を受け入れるのも問題ないと思って受け入れる。もっとも広さだけはあるものの、元々が公務員宿舎だけあって設備はぼろぼろ。引っ越しも念頭にいれていたのだが、こういう場面ではとても使いやすい。

ともあれ、この5日間は自宅が完全に合宿所と化していて、学生の風呂・食事・洗濯と追われっぱなし。寮で働く方々の苦労を体験することになる。それはそれは疲れたのだが、場合によっては10人にもなった学生の食事を作りながら、要領よく家事を行う術を身につけることができたのは感謝すべきことだろう。

そんなこんなで迎えた27日の定期演奏会はインフルエンザの影響のため空席が目立ったものの、中身としては素晴らしいできだった。学生の多くが笑顔の中で演奏でき、その喜びが音にも表れていた。アンケート結果などを見ても学生の楽しんでいる様子がお客さんにうまく伝わっていたようで好意的なコメントが多かった。最後の最後まで指導者のSさんからは指導をうけていた学生たちであったが、最後に到達した空間はSさんの目指した楽しい音楽の空間になっていたようだ。毎年のことながらSさんを含め、OB,OGそしてステージに載ってくださる皆さんに感謝ばかりの定期演奏会である。

この定期演奏会は毎回パート別にコスプレをするという変わった演奏会なのだが、今年のトロンボーンパートは「アンパンマン」がテーマ。学生の力作であるフェルトのキャラクターをかぶってステージに上がる。コスプレの衣装は少し照れくさいのだが、今年で卒業する学生の少し切ない演奏と、指揮者のSさんをはじめこの板でしか合わない方々の楽しそうな表情と、そしてその風景を眺める会場の方々の嬉しそうな笑顔が会場全体を優しい雰囲気に包み込んでくれる。

定期演奏会の打ち上げが終了後、合宿所と化していた自宅に掃除機をかけて横になる。こんなにこの部屋は大きかったのだろうか、と少ししんみりする。いろんな意味で感謝の定期演奏会であった。