初授業

授業がスタート。社会科学を初めて履修する理系の学生たちを前に二コマ。産業財産権法と法学概論。

幸いなことに、今まで師事していただいた先生方は「教え上手」な先生が多かったので、頭の中で恩師の教える姿をイメージしながら、自分も授業を進める。この初授業に際しては恩師からいただいたネクタイをしめての登壇。

思ったより緊張せずに、いつもの調子で授業。

法学の使用テキストが間に合わなかったということもあり、「ガクモン」の全体像から、社会科学について、他の社会科学と法学の相違について、、、といったことを説明する。ポパーの話などをしながら、楽しく授業が終わる。

教壇に立つ自分が想像できずにいた失意の只中にいた先月から比べると、本当に幸せだと思う。誇張した表現ではなく、「生きていて良かった」と思える瞬間をかみ締めることができたことをただただ感謝しながら、至福のうちに授業を終えた。

授業を終えて校舎を後にする。盛りを過ぎた桜の花が風に吹かれて散っていくさまを見ながら、いろんなことを考える。このごろ涙腺がゆるくなっているためか、何気ない風景をみながら涙がとまらない。

何気ない風景のなかにこんなに多くの恵みが与えられていることに気づかなかった。たぶん今までの苦しかったことも、多くの恵みだったのだろう。そのことに気づき、納得できるようになるのにとても多くの時間を費やしてしまったけれど。

主よ、あなたが私に与えてくださった、すべてのことに感謝します。