夏の読書 燃える研究者

阿部謹也自伝

阿部謹也(2005)『阿部謹也自伝』新潮社

社会科学者なら誰でも知っている阿部謹也氏の自伝。給料日前であまりお金なかったのに、つい衝動買い。

・・・だって、帯が格好いいんだもの。

恩師の言葉が、私の人生を決めたー。
「それをやらなければ、生きてはいけないテーマを探しなさい」

・・・研究者家業で、この言葉に「萌えー」じゃない人っていないんじゃないかと思うのです。

中身はと言うと、やはり「ひたすら熱く」さすがに阿部先生の熱い研究のモチベーションとなるこゆい人生で、読みながら「うひゃー」 と思う。無論、悔しくて。歴史学への熱い思いも、研究への真摯な思いも、「生きる」と言うことに対する誠実さもつまっていて、 なんか一気に読み終えちゃいました。

中でも阿部先生がはじめにやろうとした研究がなんとリルケだったそうで、しかも『若き詩人への手紙』に感銘をうけたそう [このエピソードはp.60ぐらいに登場します。もうひたすら『うわー』(T-T)]。詩人崩れの自分は、これまたたまらんくて、 阿部先生、ますます大好きになりました。

勝手に私淑させていただいておりますが、「研究のため」に本を読むだけではなく、「研究のモチベーションを維持しさらに高めるため」 にも研究者は本を読まないかんなぁと思う今日このごろです。

新潮文庫版のリルケ詩集には、スイスで客死ししたリルケのとっても美しいフレーズが紹介されていた。

詳細は忘れたけれど、こんなかんじ。

===

ルーブル美術館で私は一人作品群を見て歩く

閉館前の薄暗い部屋の中に

ふと目の前にミロのビーナスが立っているのを見つけ

私はビーナスに祈った

するとビーナスはこうこたえた

「孤独な旅人よ、残念ながら私にはあなたを抱きしめる両腕がないのです」

自分も熱く生きよう。

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