原子力安全委員会最後の日

明日19日,原子力規制委員会が発足されることで,本日付で内閣府原子力安全委員会が廃止になった.

日本の原子力政策にとって,第三者機関として原子力の安全を担保していた(例えば事故が起こったとき,また起こりそうな時にストップをかけるなど)ハズのこの組織の体たらくぶりは,委員長の斑目氏を含め,福島第一原子力発電所事故後の対応で国民の周知するところとなった.斑目語録ともいうべき数々の奇異な言動は,原発推進派の人をもあきれさせ,本日の最終日に至っては「安全基準、防災、どれをとっても、あらかじめの備えが足りず、痛恨の極みだった」(NHKニュース)との「名言」を残して解散である.

斑目氏を笑うのは簡単だが,我々はこの斑目氏にしろ東京大学工学部の元教授であり,日本で最も原子力に詳しい人間の一人であったことを忘れてはいけない.もちろん斑目氏が「意図的に」電力会社寄りの審議をしていたという可能性もあるが,仮に真摯に原子力安全に向かい合っていたとしたらそちらのほうがもっと恐ろしい.

日本で最も原発に詳しい(ハズ)の人物にして「安全基準、防災、どれをとっても、あらかじめの備えが足りず」という運営しかできなかった原子力安全委員会の無力さを露呈させた事実は,原子力という技術が私たちの同時代の最高の頭脳を持ってしても,扱えない技術であることを示しているのではないか.

明日から発足する原子力規制委員会にまったく期待できない国民は多いと思う.我々が手にした原子力という技術は,プロメテウスの火であり,我々の手に負えるような技術ではなかった.斑目氏の最後の仕事が「我々が原子力に対していかに無力か」ということを示したものであったとしたら,最後の仕事にして,最大の存在意義を示してくれたと思う.

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