代々木

というわけで、「懇談会」をそこそこに、友人に会いに新宿に向かう。

去年落ち込んでいたときに大変お世話になった人物の一人で、今回はいろんな方と会って、 去年の御礼を重ねるという旅行になってしまったようだ。彼女からは相変わらずたくさんの元気をもらう。

新宿の地下街にある飲み屋でそばなどをつつきつつ、いろんなことを話す。お酒ももはやおつきあいできないけれど、 お酒抜きでも楽しい時間を過ごすことはできるので、そればかりは感謝だ。

JR代々木駅からオリセンに向けてのんびりと歩く。高校卒業後に就職した会社もまた代々木駅から徒歩15分という場所にあり、 道すがら懐かしく周囲を見渡す。

夜間の配送の仕事のため、元職場の電気はつきっぱなしで周囲を照らしていた。 若い職員がトラックに荷物の積み卸しを行っている姿がみえた。

働いていたときは、当然わからなかったけれど、 あのときの僕もこういう風に他人の目には映っていたのかもしれない。

一言で言えば「貧しかった」。何も戦時中の話ではなく、わずか15年前の話なのだが、 バブルの面影がまだ少し残っていた渋谷区に僕らは貧しく生活を送っていた。一日に二回しか食事をとることができず、 いつもおなかをすかしていたし、「穴の開いていないシャツ」なんて持っていなかった。集まったメンバーもまたみんな似たり寄ったりで、 なぜあんなにみんな貧乏だったのだろうと思う。

なじみのラーメン屋があり、お弁当屋があり、風呂屋があり、「懐かしい」風景を尋ね歩く。その一方、月に一度だけ同期の友人たちと憂さ晴らしに通っていた日の出カラオケはつぶれてコンビニエンスストアに代わっていたことに悲しむ。 参宮橋の駅前も、南新宿の駅前もすっかり「都会」になってしまった。

途中、昔よく通ったラーメン屋に立ち寄る。懐かしく優しく15年前と変わらず美味しかったのだけれど、どこか違っていて、その微妙な味の差を感じたのは僕もまた変わってしまったからなのだろうと思う。

関連記事

Latest Article

  1. 2018.05.20

    終の棲家
PAGE TOP