『緑の牢獄』

都城にある唯一の映画館「CINEPORT都城」にて『緑の牢獄』を鑑賞。先日観た『minamata』よりも好感が持てた。

『minamata』は、ジョニーディップ主演ということで脚色(それが必要最低限だと判断したのだとしても)がある点に地元や長年水俣病の問題に関わっている人々からは反発が多いという。僕自身も水俣病については、専門ではないとはいえ、ある程度事情を知っているひとなら「そりゃ順番逆でしょ」とツッコミたい箇所があった。が、ともあれ、映画化されたことの意味が大きいと思うので、それはそれで。

ただし『緑の牢獄』はそうではない。脚色抜きに西表島にかつて存在した炭鉱の唯一といっても過言ではない生き残りの人物に焦点を当てていて、「こんな普通のように見える人」のうえにも国籍や炭鉱の問題は残っているのだと気づき、考えさせられる。

そして単調なフィルムについつい眠りに落ちてしまいそうになる。そりゃぁドキュメンタリーフィルムなので、『minamata』と単純な比較はできないのだが、「ふつう」に見えるおばあの「普通じゃない」人生経験を描くには十二分過ぎる描き方で、鑑賞後はうまく言語化できずに、少し体調が悪くなったほど。

演劇や映画化による脚色にはもちろんいろんな功罪がある。『minamata』は悪い映画ではなかった。でも『緑の牢獄』はドキュメンタリーフィルムとしてとても良かったと思う。そして、いずれFUKUSHIMAも、同じように脚色されて伝わるのかな、とか思った。それだけを今はコメントしておきたい。

主の平和。

富山大学学術研究部教育研究推進系准教授

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