『スーパーサイズ・ミー』

川崎シネチッタにてやっとのことで「スーパーサイズ・ミー」を観る。「僕の彼女を紹介します」と異なり、評判に偽りなくえらいことおもしろい。

映画そのものは「人間は、マクドナルド製品(劇中では「マック食」)だけを1ヶ月食べ続けることができるのか」というような以前の電波少年みたいな企画。監督のモーガン・スパーロックは、アメリカで2001年11月に肥満症に悩む10代の女性2人が、自らの肥満症を元凶とする健康障害をマクドナルド社の責任だとして訴訟したことに着想を得てこの映画を企画する。

この訴訟のニュースは日本でも「おもしろおかしく」紹介され、僕はたまたまタイの日本語雑誌が置いてある喫茶店でこのニュースを読んだ。たしかすぐに敗訴が決定したはずだ。当時の論調としては「アメリカではこんなつまらないことで訴訟を起こす人々がいる」という感じで揶揄されていたように思う。当時その雑誌記事を読み、ひどく嫌悪感を抱いたのを覚えている。事実だけをとるならば「マクドナルドに訴訟を起こした人がいる」というだけなのだが、訴状や棄却理由などこの時点では何もはっきりしないままで、「訴えた」だけのことを基準にして「ばかげている」なんて言えないじゃないか、と。誰かが誰かを訴えるには、それ相応の「理由」がある。

モーガンの作品はこうした訴訟に対して大変思いやりのある立場で受け止め、ファーストフードが持つ問題を過剰な脂肪・炭水化物摂取による健康障害に焦点を当てつつも、食品団体のロビー活動、給食産業の利権問題、メディアの(特に児童をターゲットにした)広告戦略と多層的に問題を捉えて再構成し、非常に説得力の強い議論を展開している。 下手な論文なんかよりもよっぽどおもしろい。

私自身(主に経済的な理由で)ファーストフードの類は1年に1度食べるか食べないかという頻度なのだが、これからますますファーストフードから足が遠のくような気がする。

なお、映画には「一ヶ月間マクドナルドだけで食事をする」モーガン・スパーロック監督をサポートする監督の恋人アレックスが登場する。一緒に生活を送るパートナーから観たモーガン監督の変化を赤裸々に語るシーンは必見だろう。(いろんな理由から)詳細は書かないでおくが、いつも側で監督と接している彼女だから気づく変化もある。ファーストフードの与える影響が目に見える変化だけじゃないことも大切。

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就職が決まり、とたんに忙しくなる。なんでそんな風になるんかわからないが、すべてが上手く行きだした。新しい住まい探しも始めることになり、中央線沿線の物件を探し始める。2LDKの部屋に一人で住むなんて考えたことなかったもんなー。部屋を探すのも就職活動並みに大変だ。

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